コンサルティング世界大手のアクセンチュアは最新リポートで、アジア・太平洋地域において2015年の金融技術分野への投資が少なくとも4倍増加するとの見通しを示した。今年に入ってから10月1日までの間、アジア・太平洋地域で122件の金融技術投資案件が合意。金額ペースで前年の8億8000万米ドルから約35億米ドルに躍進。投資分野は銀行、保険会社、資産管理会社、決済サービスサプライヤー、その他の金融サービスサプライヤーに及ぶ。その大部分は決済技術と融資サービスの2分野に集中し、それぞれ全体の40%、25%を占めている。
分析によると、アジア・太平洋地域で金融技術分野の投資には二つの傾向が表れている。◇業務促進に金融技術が果たす役割が顕著になりつつある、◇金融技術の革新から新たな成長のチャンスが生まれている--。アクセンチュア・アセアン市場金融サービスのシニアアナリストを務めるジョン・アラウェイ氏は、「金融サービス機関はクラウドコンピューティング、モバイル決済、ブロックチェーンといった技術を積極的に取り入れ、自身の業務や運営モデルを改めたことで、銀行が金融技術のリスクキャピタル融資、起業支援、ベンチャー企業への投資を増やしている」と指摘した。
ブロックチェーン、クラウドコンピューティング、ネットワーク安全技術が、アジア太平洋地域の金融技術分野投資における3つの焦点だ。具体的には、◇ブロックチェーン技術にベンチャー企業、銀行、投資家が関心を寄せている、◇クラウドコンピューティングの普及にともない、各金融企業はクラウドコンピューティングで優位性を生かし、効率や柔軟性を高めると同時に、コスト削減に努めている。これが金融技術のベンチャー企業に成長の契機をもたらし、クラウドコンピューティング技術をめぐって新たなサービスが開拓されている、◇ネットワーク安全技術への投資も大幅に増えている――。
アジア・太平洋地域の金融投資分野で、中国企業が世界の先端を走る。今年1-9月で、中国本土、香港企業の金融技術投資プロジェクトが総額で15億米ドルに達した。その一例として、アリババグループとその子会社・螞蟻金融服務集団(アリ金融サービス)」によるインドモバイル決済大手 「Paytm」への投資や、平安保険集団傘下の上海陸家嘴国際金融資産交易市場股フン有限公司の融資案件などが挙げられる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年12月23日
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