まもなく2016年になる。2015年、世界経済成長の二極化が顕著になった。中国は安定した成長を維持した。業界筋に予測によると、2016年、世界経済の回復が遅れ、二極化が広がる。一方、中国は需給両面の力で世界経済の成長エンジンになるとしている。
上海社会科学院の世界経済研究所は28日、「2016年世界経済情勢分析報告」を発表した。2016年の世界経済は回復が遅れ、リスクが高まる。先進諸国の通貨政策の二極化、コモディティ価格の安値推移、多くの国で高まる債務危機リスク、世界貿易の新ルールの初歩的な形成などの影響から、2016年と2017年の世界経済成長率はそれぞれ3.24%と3.43%になると予測している。
同席したモルガンスタンレー華鑫証券のシニアエコノミストである章俊亦氏によると、先進国にせよ途上国にせよ2016年は、債務超過、デフレ、労働力の需給格差などの問題とリスクを抱える年になるという。さらに米FRBの利上げが世界経済にとって最大のリスクになる可能性もはらむとする。
2015年の前3四半期、中国のGDP成長率は前年比で6.9%成長となり、世界経済成長に対する貢献率は30%前後に達した。先日行われた中国経済工作会議では、2016年の経済情勢、安定成長重視、構造改革戦術任務、重要改革分野、市民生活の充実、開放戦略についての明確な部署を設けることにした。中国が需給バランスのとれた新経済構造を構築するにしたがい、2016年に中国は需給両面の力で世界経済成長を牽引すると業界筋は予測する。
上海社会科学院の世界経済研究所の副所長である権衡氏は、需給の2面から見て中国の「三輪車」(輸出、投資、消費)は新たな特徴を見せているとの見方を示す。「2016年、世界経済はアンバランスな成長が見込まれる。その影響により、中国は複雑な輸出環境に直面するだろう。投資に関して、インフラ投資は政府の支援の下で安定的に成長する。それと同時に、サービス業の多くの分野で投資が加速するだろう。消費に関して、中国の消費は安定的に増加しており、次の段階に突入していることが明確になる」。
「現在7000万人以上いる貧困層が、今後5年で貧困から脱することになる。中国は徐々に所得格差を縮小させ、貧困を減少させている。これこそが世界経済の安定成長に対する最も直接的な貢献となるだろう」と同氏は述べる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年1月1日
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