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「供給側の構造改革」に関する7つの質問

 

昨年末に開催された中央経済政策会議で、第13次五カ年計画(2016~2020)の初年である今年の経済業務について全面的な手配が行われ、「供給側の構造改革」に力を入れ、経済の持続的かつ健全な発展を推進することが強調された。同会議の精神を真剣に学び、深く理解し、正しくやり遂げるにはどうすればよいか?供給側の構造改革という主題をめぐり、新たな一年の経済業務をしっかりと実施するには?本誌はこのほど権威者に独占インタビューし、「供給側の構造改革」について詳しく解説してもらった。人民日報が伝えた。

(1)「供給側の構造改革」の政策に含まれている意味とは?

権威者:供給側の構造改革には、明確な理念とはっきりとした構想があり、具体的な任務も存在する。確固として、大胆かつ着実に、正確に事を進め、決して後戻りしてはならない。需要を引き締めるのではなく、需要と供給の両側での取り組みが必要となる。ただ主従は明確にし、供給側の構造改善を主とする。新しい「計画経済」を始めるわけではなく、市場の資源配置における決定的役割をよりよく発揮させるため、政府の権力の境界を明確にする。

当然ながら、供給側の構造改革という「碁」をうまく打つには、政府という「手」の役割をよりよく発揮しなければならない。現在最も重要なのは、政府の権力の境界をはっきりさせ、自己革命の精神でもって行政介入を減らし、「手を引く」ことを最大の突破口とすることだ。「手を引く」ことは「野放し」とは違う。政府はマクロコントロール、市場監督管理、公共サービス、社会管理、環境保護などの基本的職責を着実に実施しなければならない。開放の拡大は改革の要であり、我々はより良い投資環境を整え、より多くの外資を導入しなければならない。現在、欧米などの先進国は中国の投資を吸収している。我々には、中国の外資が多すぎると考える理由などない。

(2)なぜ今「供給側の構造改革」が強調されるのか?

権威者:「三つの期間の重なり(経済成長速度のギアチェンジ期、構造改革の陣痛期、4兆元景気対策の消化期)」から「新常態」へ、さらには「供給側の構造改革」に至る道のりは、たゆまぬ模索と認識の深化のプロセスだ。供給側の構造改革は、経済情勢を正しく見据えたうえで選択された経済管理の処方箋だ。主観的にどう考えようと、客観的なルールには背けない。転換を急がなければ、いつかは袋小路にたどり着く。「四降一昇(経済成長率の下落、工業品価格の下落、実体経済の利益の下落、財政収入の伸び幅の下落、経済リスク発生率の上昇)」などの矛盾と問題は、主に構造性のものだ。現在の情勢において、国民経済が短期間にV字回復を実現するのは不可能であり、L字型の成長段階を経ることになるだろう。中長期の経済問題を解決するには、従来のケインズ主義の処方箋では限りがある。構造改革こそが根本的なやり方だ。

(3)供給側の構造改革は、経済発展の新常態をけん引する重要な革新となる。各業務の重点はどのように変化するのだろうか?

権威者:中央経済政策会議では、経済発展の新常態に適応し、これをけん引し、供給側の構造改革を推し進め、以下の10業務の重点の転換に努める必要があると提起された。

・経済発展に関しては、発展の質と効率の向上をより重視する。

・経済成長の安定化に関しては、供給側の構造改革をより重視する。

・マクロコントロールに関しては、市場行為と社会の見通しの誘導をより重視する。

・産業構造の調整に関しては、足し算、引き算、掛け算、割り算の併用をより重視する。

・都市化に関しては、人間本位をより重視する。

・地域発展に関しては、人口、経済と資源、環境の均衡をより重視する。

・生態環境保護に関しては、グリーンな生産方式および消費方式の促進をより重視する。

・民生の保障・改善に関しては、特定の階層や特別な課題に絞りこみ、的確に扶助することをより重視する。

・資源の配置に関しては、市場の資源配置における決定的役割をよりよく発揮させることをより重視する。

・対外開放の拡大に関しては、ハイレベルな対外開放をより重視する。

各地域の各機関は業務実践の中で、上述の重視する内容を標準尺度とし、これに合致しない事は行わず、合致するものはより強化し、小さな勝利を積み重ね、大きな勝利とする。

(4)供給側の構造改革を推進するうえで、いかにしてマクロ経済政策の全体的構想を正しく把握すべきか?

権威者:マクロ政策は安定的に、産業政策は正確に、ミクロ政策は臨機応変に、改革政策は実際的に、社会政策は基層を支えなければならない。5つの政策の柱は全体的に交わり、有機的に結合し、互いに協力し合い、供給側の構造改革推進に向けより良い環境と条件を整える。

(5)供給側の構造改革の重点任務とは?

権威者:生産能力の消化、在庫の消化、デレバレッジ、コスト削減、弱い部分の補完という5つの重点任務を完成させるには、継続的に力を入れ続けるという不屈の粘り強さが必要であると同時に、全力で成果を出すという堅忍不抜の気概も必要だ。5つの重点任務を完成させるには「足し算、引き算、掛け算、割り算」をうまく運用しなければならない。長期的に見れば、それぞれの任務は発展の原動力増強に役立つが、短期的に見れば、それぞれの任務間に「相殺」の関係がある。全面的に推進し、度をわきまえなければならない。現在急務となっているのが、「ゾンビ企業」の断固とした処理だ。余剰生産能力を減らし、「ゾンビ」を土に還す必要がある。5つの重点任務を完了するには、改革を全面的に深化させなければならない。具体的な内容は非常に多いが、病因はいずれも体制問題であり、改革・革新によって解消しなければならない。

(6)供給側の構造改革により、社会にある程度の衝撃がもたらされると懸念する声もあるが、社会はこれに耐えられるのか?

陣痛は避けられないが、その価値はある。適度な後退は、よりよい前進のため。十分に後退してこそ前に進むことができる。適切に処理すれば、陣痛はそれほどひどくならず、耐えられる。しかし、推進の過程において生まれる矛盾や衝撃は決して軽視してはならない。具体的な政策は秩序立てて着実に実施しなければならない。空白期間はいつまでも引き延ばしてはならない。問題は我々を待っていてはくれない。チャンスはなおさらだ。供給側の構造改革は引き延ばしてはならず、後回しにはできない。さもなければ、病状はますます悪化してしまう。

(7)供給側の構造改革の成果をどのように確保するのか?

権威者:これが簡単でないことは確かだ。やすやすと成功するのは不可能であり、努力せずにうまい汁を吸おうとすることも避けなければならない。我々は認識を深め、決心を下し、問題に真っ正面からぶつかることで、初めて成果を上げることができる。認識が十分でない場所は急いで改善し、考え方が適さない場所は急ぎ発想を転換しなければならない。干渉を排除し、わき目を振らず、中国の特色ある社会主義政治経済学をしっかり学び、しっかり運用し、いくつかの重要原則を着実に把握し、供給側の構造改革の相乗効果を形成する。第一に、社会生産力の解放、発展を堅持する。第二に、社会主義市場経済改革の方向性を堅持する。第三に、各方面の積極性を引き続き動員する。(編集SN)

 

「人民網日本語版」2016年1月5日

 

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