アジアインフラ投資銀行(AIIB)の金立群・初代総裁はこのほど人民日報に文章を寄せ、AIIBの趣旨、理念、将来の重点的な投資分野について詳しく紹介した。その中で、「AIIBは、情報インフラ建設と相互連結への投資に力を入れる」と表明した。
金立群氏の文章の内容は以下の通り。
ネットワークインフラを中心とする情報インフラ建設と相互連結は今や、経済発展モデルの転換と新旧の原動力転換の加速、経済構造の戦略的調整の促進、地域・世界経済の革新的成長推進の重要な要素であり、柱となっている。このため、AIIBは情報インフラ建設と相互連結への投資を突破口とし、インターネット技術の協力・共有を強め、地域ないしは世界経済の一体化を推し進め、新たな科学技術革命と革新的発展推進のために、しかるべき役割を果たしていく。
AIIBは情報および関連分野のインフラ建設に重点的に投資を行う。まず、情報インフラ建設およびその相互連結にしかるべき投資を行う。AIIBメンバー国の多くは、固定ブロードバンドネットワーク、通信光ケーブル(特に国境をまたぐ陸上・海底ケーブル)、無線センサーネットワーク、衛星サービス設備、次世代移動通信網、インターネット設備、モノのインターネット設備、クラウドコンピューティングとビッグデータプラットフォーム設備といった、情報インフラ分野への投資と建設を重視している。将来、AIIBの董事会(取締役会)は発展途上国メンバーのニーズに基づき、対応する業務政策を制定し、発展途上国におけるインターネットの普及を手助けし、デジタルデバイド(情報格差)をなくし、情報の壁を打ち破り、新たな経済成長モデルを育成し、経済社会発展の成果を共有する。
また一方で、AIIBは計画的かつ段階的にインフラ建設と相互連結の関連分野に重点的な投資と支援を行う。これには、▽道路、橋、水運、港、航空などの交通分野▽送変電、特に送電網の建設とアップグレード改造、石油・天然ガスパイプラインなどのエネルギーインフラ分野▽風力発電、水力発電、原子力発電、太陽発電、バイオマス発電および蓄電、送電といった新型クリーンエネルギーインフラ分野▽都市の給水、排水、汚水・ごみ処理、暖房・冷房供給など都市インフラ分野▽節水・灌漑など農業・農村のインフラ分野▽倉庫保管・配送など物流のインフラ分野――が含まれる。
AIIBは寛容、開放、公開、透明の原則にのっとり、各メンバー国の政府と関連機関が民間企業と様々な協力を模索・実施することを歓迎する。
AIIBはアジアの発展途上国が共同で発起し主導する初の多国間開発金融機関だ。AIIBは高効率的、簡素、清廉、クリーンの原則を守り、借款、担保、株式投資などの様々な金融ツールを通じて、アジアのインフラ建設と相互連結に力を注ぎ、地域経済の一体化・繁栄を促進していく。
すでに57カ国が政府間覚書に署名したほか、アジアおよびその他の地域の多くの経済体が加入を申請している。2年余りの準備を経て、AIIBは2015年12月25日に正式に発足した。(編集SN)
「人民網日本語版」2016年1月5日
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