丸紅市場業務部中国担当の成玉麟氏は新華社の取材に対して先ごろ、「中国政府は新経済の発展を全力で支援し、中国経済の新たな優位性を見出そうとしている」とし、「これらの動きは市場が期待し、注視する価値がある」と指摘した。
新年早々に中国本土A株相場が大きく変動したことについて、「将来的には、中国の新経済は成長安定剤としての役割を発揮し、資本市場にプラスに働く」と分析した。また、「中国のマクロ経済政策と改革の成果が市場で現れるのに時間がかかる」との見方を示した。
「中国政府が進める経済構造の調整措置については、多くの見るべき点がある。新経済は巨大な商機を創出し、世界経済にポジティブな影響をもたらす」と成玉麟氏は語る。
中国の「第13次5カ年計画」(十三五、2016~20年)と中央経済活動会議では、中国経済が直面する新たな課題と向こう5年間の国家政策の枠組みが示されたが、中国経済の構造調整の過程における現段階での注目ポイントが見て取れるという。
成玉麟氏は、◇過剰生産能力の削減、◇不動産在庫解消、◇脱レバレッジ、◇企業コスト引き下げ、◇脆弱産業分野の補強、の5つの主要課題が成長の阻害要因を取り除く的確な一連の政策だとし、新旧交代の新たな商機をもたらすとの見方を示した。
経済の「新常態」の下、◇「美しい中国」の建設、◇「サイバー空間運命共同体」の構築、◇「供給側の改革」――などのキーワードも、現指導部が向こう5年間でより全面的、根本的で、質の高い経済改革を目指していることを示す。
現在のエコ産業、ビッグデーター、モノのインターネット(Internet of Things、IoT)、人工知能(AI)、などの新たな成長エンジンの将来性については、一部の投資家からはまだ充分に認識されていない。しかし、これらの新経済部門は今後必ず中国経済の新たな成長基盤となり、経済の構造調整を促進する。長期的な経済発展につながり、ポテンシャルが高く機動力のある開放型経済が構築可能となる。中国の新経済のメリットが世界経済に波及するのは確実だとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年1月11日
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