米投資銀行・ゴールドマン・サックスが最近発表した研究報告書によると、平均年齢20-34歳の中国のネット世代は開放的で、ボジティブであるものの、平均的な收入は1時間当たり3ドル(約350円)にも満たない。同世代は、オンラインゲームやオリジナル旅行の面でも先頭を行き、中国インターネットサービスの大手・騰訊(テンセント)に巨額の收入をもたらしている。環球時報が報じた。
西洋メディアは、中国の70後(1970年代生まれ)の世代を「パソコン世代」、80後(1980年代生まれ)の世代を「ネット世代」、90後(1990年代生まれ)の世代を「スマホ世代」と呼んでいる。
80後の中国人は約2億1千万人。うち、3900万人が大学を卒業している。子供のころからインターネットに接し、親から十分の経済的サポートを受けてきた。77%が農村出身であるものの、54%が都市で働いている。一方、90後の中国人は約1億9千万人。うち、6800万人が大学を卒業している。子供のころからスマホやモバイルゲーム、SNS、モバイル決済などに接して来た世代で、熾烈な生存競争に直面し、懐が温かいわけではない。60後、70年後と違い、中国の80後、90後の人は、ポジティブで国際的かつ自己主張が強い。
ゴールドマン・サックスの研究報告のうち、「80後と、90後の人は、限りある可処分所得を分配する時、クールで無情な選択、決定をする一方で、娯楽やレクリエーションにはお金を惜しまない。そして、子供はほしがらない」という分析は注目に値する。
中国の「ネット世代」と「スマホ世代」は、レクリエーションにおいて、70後や60後とどのような違いがあるのだろう。ゴールドマン・サックスの研究によると、前2世代には、2カ月分の給料を使ってiPhoneを購入しているかと思えば、ショッピングサイト・淘宝で30元(約540円)ほどの靴を買って履いているなど、「消費の面でチグハグ」な現象が見られる。このような消費状況が中国の実体経済の今後を左右する。
その他、ゴールドマン・サックスの研究によると、中国では、モバイルインターネットが作り出すバーチャルの世界、特にモバイルゲームが中国の80後、90後の精神的な「避難所」となっている。バーチャルゲームの世界では、自分が夢見る役を演じるほか、自己確認を行ったり、バーチャルマネーで自分の夢を「実現」したりすることができる。この種の心理的暗示や解放に、例えそれが「バーチャル」であっても、中国の新世代は、楽しみと達成感を味わっている。その益を受けているのが騰訊で、モバイルゲームやチャットソフトQQのゲーム機能の売り上げの増加率が常に10%以上を保っている。ある意味、中国のネット世代が、携帯ゲームを独占している騰訊の地位を確固たるものにしていると言っても過言でない。
ゴールドマン・サックスは、「中国の80後と90後は、西洋のブランド、メディア、情報、文化に多く接し、国際化したライフスタイルを渇望している一方で、懐は寒いという、せつない状況に直面している」と指摘する。
国際市場調査会社のユーロモニター・インターナショナルは報告の中で、中国の35歳以下の労働者の年收は7500ドル(約88万5千円)以下と指摘。中国の一線都市のホワイトカラーでも1万ドル(約118万円)を超えないとしている。また、中国の四大会計事務所の1年目の年収は1万4千ドル(約165万円)。中国のネット世代は消費能力を維持することができるのだろうか?
「人民網日本語版」2016年1月27日
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