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天津爆発事故、国務院が事故調査報告書を発表

 

中国国務院はこのほど、天津市瑞海国際物流有限公司の危険物保管倉庫で昨年8月12日に起きた大規模爆発事故に関して、特別重大生産安全責任事故と認定する事故調査チームの調査報告書を発表した。

昨年8月12日、天津市浜海新区天津港にある瑞海国際物流有限公司の危険物保管倉庫で大規模爆発事故が発生し、165人が亡くなった(うち、110人が救助に当たっていた消防隊員で、55人が同社や周辺企業の従業員、周辺の住民など)。また、8人が行方不明(うち、天津港の消防隊員が5人、周辺企業の従業員、天津港の消防隊員の家族3人)、798人が負傷した(重症・比較的重症が58人、軽傷が740人)。

調査チームの報告書によると、事故の直接的原因となったのは、瑞海公司の危険物保管倉庫の危険物エリア南側にあったコンテナ内のニトロセルロースが、湿潤剤が消失したため局部的に乾燥し、高温(天気)などの影響で、分解、放熱が加速し、自然発火。周辺のコンテナに入っていた硝酸アンモニウムやその他の化学品に引火し、大規模火災になり、危険物エリアに積まれていた硝酸アンモニウムなどの化学品が爆発した。

調査チームは、瑞海公司は事故当時、違法な経営をしており、事故発生の主体責任企業と認定。天津市都市全体計画や浜海新区の規制計画に違反し、安全生産主体責任を無視し、危険物を保管する場所を違法に建設し、法律に反して、2012年11月から2015年6月の期間、現代物流と普通貨物倉庫エリアで、複数回にわたり、経営の資質を変えて危険物を保管し、安全管理が混乱。非常に危険な状態が長期にわたって存在していたとしている。

また、関係地方政府や当局などが、関係法規定を適切に適用せず、管理・監督も不十分だったと認定している。

そして、事故原因調査と事故責任の認定結果に基づき、123人に対して処分を下すよう求めている。

その他、報告書は、同事故は事故現場や周辺の一部の地域に、大気や水、土壌の汚染を引き起こしたものの、渤海湾の環境への悪影響はなく、環境汚染が原因の中毒や死亡などの症例は確認されていないとしている。また、現在、大気汚染に対する影響はほぼなくなり、汚染した土壌や水も効果的に処理された。事故現場の土壌や地下水は現在も、処理と修復作業が続いている。中・長期にわたって事故が環境や人の健康に与える影響に関しては、モニタリングを続けており、必要な予防と対策が講じられている。

「人民網日本語版」2016年2月6日

 

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