長い春節(旧正月。今年は2月8日)連休が終わった。申年春節連休期間の旅行市場は、需要・供給ともに大いに活況を呈し、観光消費額は過去最高記録を更新した。国家観光局がこのほど発表した統計データによると、今年の春節連休中、全国各地を訪れた観光客の総数は延べ3億200万人と、前年同期比15.6%増加した。観光総収入は3651億元(約6兆4300万円)、16.3%増。このうち宿泊を伴った観光客は延べ7086万人、1人当たり消費額は3054元(約5万4千円)に達した。人民網が伝えた。
年齢別に見ると、消費の主力軍はどの年齢層だったのだろうか?男性と女性、どちらに旅行好きが多いか?どこの住民が旅行先で最も気前よくお金を遣うのだろう?旅行に出る時は、どのようなホテルを選ぶ?どの時間帯に飛行機に乗る傾向があるのか?海外旅行の値段が下がるタイミングは?――旅行ビッグデータが、これらの疑問の数々に逐一答えてくれる。
〇消費の主力軍は1980年代生まれ 女性は男性より旅行好き
ビッグデータによると、年齢や所得が高くなるにつれて、1980年代生まれの人々が、中国旅行市場での消費の主力軍となった。また、女性の方が、男性に比べて旅行に対する熱中度が高く、かつ、自由旅行を好む傾向にあった。
統計データによると、春節に旅行に出た人のうち、1980年代生まれが全体の41%と最も多く、1970年代生まれ(22%)と1990年代生まれ(17%)がこれに続いた。途牛旅遊網のモニタリングデータによると、旅行に出る人の主力軍は、26歳から45歳の1980年代・1970年代生まれで、全体の5割以上を占めた。このうち女性の割合は58%と男性を上回った。旅行日数は4日から6日が多く、全体の54%に達した。
携程旅行網の統計データによると、春節に個人旅行に出た人の5割以上は1980年代・1990年代生まれで、女性は海外自由旅行を選ぶ傾向が高かった。若者の自由旅行の2大特徴として、「旅行中に道連れを見つける」「一人旅」が挙げられる。
〇義烏が消費額トップ3入り 吉林省で旅行ブーム高まる
携程旅行網の国内・海外旅行予約状況データに基づく概算によると、2016年春節連休中、住民一人あたりの観光消費額が最も高かった都市トップ10は順に、北京、上海、義烏、瀋陽、長春、蘭州、烏魯木斉(ウルムチ)、杭州、汕頭(スワトウ)、呼和浩特(フフホト)だった。
上位10都市の首位と第2位に立った北京と上海の1人当たり観光消費額は約7千元(約12万3千円)、第10位でも約5千元(約8万8千円)と見込まれる。二線・三線・四線都市の多くが「ダークホース」としてランクインした。たとえば、浙江省義烏の1人当たり観光消費額は推算6164元(約10万8500円)と、堂々第3位に立った。
住民の旅行熱が著しく高まったのは吉林省だった。途牛旅遊網の統計データによると、春節連休中に旅行に出た延べ人数の増加スピード(前年同期比)が最も速かったトップ10都市は順に、吉林、襄陽、淮安、贛州、江陰、湛江、恵州、舟山、張家口、常熟。
〇観光客の6割が高級ホテルに宿泊 航空機出発時間は午前7~8時が最多
途牛旅遊網の担当者は、次の通り話した。
2016年春節連休中、観光客の約6割が4つ星・5つ星ホテルを選択した。高級ホテル宿泊が最近のブームとなっている。このうち、国内トップクラスのホテルに宿泊する観光客が65%、外資トップクラスが35%を占めている。今年の春節連休中、観光客の約65%が昼行便を選んだ。特に、午前7時台と8時台の出発便に集中した。
〇「ブーム低下」の兆しを見せる訪日・訪韓旅行
ビッグデータによると、春節連休中に最も人気が高かった海外旅行先は、日本、タイ、中国台湾、韓国、オーストラリア、ベトナム、シンガポール、インドネシア、中国香港、フィリピンだった。
日本、タイ、韓国が依然、海外旅行目的地のトップ3を独占した。ただし、日本と韓国は、昨年の最盛期に比べると、ややブーム低下の感がある。為替レートの変動がその原因に挙げられる。わざわざ日本や韓国を訪れて買物をしても、あまり割安感が感じられなくなってきたのだ。中国人観光客の間では、フィリピン旅行やインドネシア旅行の人気が急上昇している。
今年の春節連休中、エストニア、ザンビア、キューバ、スロバキア、ハンガリー、タンザニアなど国家も、中国人観光客の間で人気が高まっている。これらの国々を訪れる中国人観光客の数は、前年の春節連休に比べて著しく増加した。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年2月17日
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