中国民間文芸家協会の副会長を務める、江蘇省南通市「藍印花布博物館」の呉元新・館長はこのほど、同市の伝統的な藍染め「藍印花布」の染色技術を世界無形文化遺産として登録するための活動が始まっていることを明らかにした。新華社が報じた。
呉館長はこのほど、天津で開催された「無形文化遺産と生活——大吉」と題するアートイベントで取材に応え、「これまで、藍印花布と一般人の生活は密接な関連があった。生まれたての赤ちゃんを包むおくるみ、結婚したカップルが使う『麒麟送子』や『鳳戲牡丹』などの刺繍が入った布団の布などに藍印花布が使われている」と説明した。
藍印花布は、南宋(1127-1279年)の時代から始まり、郷土色豊かで、親しみやすい色彩から、民間の日用品や装飾品に使われてきた。無事や吉事、財産・地位、幸福・俸禄、長寿、愛などをテーマにしたデザインが多い。南通市の藍印花布の染色技術は2006年、国家級の無形文化遺産として登録された。
「南通市の藍印花布の染色技術は、世界無形文化遺産登録を目指し、基本的な活動が既に数多く展開されている。藍印花布の実地調査も始まっており、5-8年かけて、中国の伝統的な染色技術も調査し、20巻からなる『中国藍印花布』にまとめる計画。サンプルの製作は既に始まっており、今年中に第一巻が出版される。全て出揃うには8-10年が必要だろう」と呉館長。
無形文化遺産登録が成功すれば、藍印花布が継続的に発展を続け、存続できるようにするほか、学術的研究も進め、保護、継承していくという。
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