北京市計画委員会がこのほど明らかにしたところによると、北京市は、都市全体の大気流動性を高める目的で、幅500メートル以上の一級通風回廊を5本、幅80メート以上の二級通風回廊を数本建設し、通風回廊ネットワークシステムを構築する。人民日報が報じた。
市計画委員会の王飛・副主任は、「通風回廊の主な役割は、都市において通風が阻害される状況を軽減し、市街地域内外の熱交換と大気汚染物質の拡散を促すことで、それによってヒートアイランド現象と大気汚染が緩和される」と話した。
5本の一級通風回廊は、北京市内の多くの公園や大型緑地を貫通する。各回廊の具体的内容は次の通り。
〇第一回廊
北西部の通風環境改善を目的とする。植物園を起点とし、昆明湖、昆玉河、紫竹院公園、動物園を経て、最終的には玉淵潭に達する。
〇第二回廊
西部の通風環境改善を目的とする。やはり植物園から始まり、西五環路と沿道両側の緑化帯に沿って南に向かう。
〇第三回廊
太平郊野公園を起点とし、東小口森林公園とオリンピック公園を南に向かう。
〇第四回廊
清河郊野公園から始まり、朝来森林公園、太陽宮公園、朝陽公園を経て、東北五環路の緑地帯から東南五環路に向かい、京滬高速道路(北京-上海高速道路)および沿道両側の緑化帯を下る。
〇第五回廊
京密高速道路(北京-密雲高速道路)から東五環および沿道両側の緑化帯を通る回廊で、東部地区にフレッシュな風を送り込む。
この情報が公開されると、ネット上で熱い議論が湧き起こり、「これで煙霧が吹き飛ばせる」という期待の声が早くも挙がった。清華大学都市計画学部の呉唯佳・学部長は、これについて、以下のような見解を示した。
都市に設けられる回廊が煙霧問題を緩和できるかどうかを突き詰めるためには、まずは汚染の発生源を明確にしなければならない。研究によると、現在の北京の煙霧は、大量の自動車排ガスと石炭燃焼による排出物質が大気汚染の主な原因となっている。また、地域特有の相互作用の影響もかなり受けており、特定時間内の気候条件とも密接に関係している。これらの根本的な問題が解決されないままで、都市の風通しだけを良くしても、本当の解決には至らない。都市の通風回廊は、確かに大きな通風効果を備えているが、さらに緻密な研究を進める必要がある。
専門家は、「北京は、市内の通風回廊の建設以外に、廊坊、天津、保定などの周辺都市との間に緩衝帯や隔離ゾーンを建設することを検討し、北京と他都市との間に十分な緑地空間を設けなければならない」と指摘した。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年2月22日
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