昨年の中国の両会(人民代表大会、政治協商会議)以来、中国人の間では、起業と革新が頻繁に話題となるようになって来た。報道によると、中国国務院の李克強総理は昨年、政府活動報告の起草の際、「大衆による起業・革新」を盛り込むことを特に要求した。
多くのデータからは、革新・起業が中国で猛烈に発展し、世界でも際立った成果を上げていることがわかる。ロンドンのコンサル会社「UHYインターナショナル」の最新報告統計によると、2010年以来、中国のスタートアップ企業の数は毎年100%近い速度で増え、2014年までに161万社に達している。この速度は、中国に続く世界2位の英国の約2倍近くで、米国もはるかに上回っている。
中国政府は現在、行政のスリム化や権限の委譲によって市場主体への緩和策を取りながら、「インターネット・プラス」戦略などによって良好なマクロ環境の構築に努めている。起業インキュベーション活動もこれに伴って開放時代に入り、市場化の特徴を備えながら早期起業活動を刺激する「新モデルのインキュベーター」と呼ばれる「衆創空間」(ソーシャル・イノベーション・プラットフォーム)が各地で生まれている。北京中関村の起業ストリートでは、新設会社やインキュベーター企業がさかんに活動している。天津・于家堡金融区では、「双創大厦」が、若者たちが夢を託す場所となっている。中国にはこのような場所が数多くあり、情熱と活力に満ちた若い起業家を引き付けている。彼らは、政策から資金にいたる政府の支援を受け、起業のためのワンストップサービスを提供する施設を通じて、ゼロからのスピーディーなスタートを実現している。サイエンス系の企業新設の登録手続も往々にして数日で完了してしまう。
国際的な研究機構「グローバル・アントレプレナーシップ・モニター」(GEM、Global Entrepreneurship Monitor)の調査結果によると、中国の成人のうち13%から24%が、起業を準備しているか、起業から42カ月以内の早期企業家だった。称賛に値する成功事例は数多く、世界的なレジェンドと言えるケースも少なくない。例えば世界最大の消費者向け無人機メーカー「大彊創新科技有限公司」は、香港科技大学で学んでいた中国大陸部の大学院生3人によって6年前に設立された。広東省深セン市の小さなアパートを借りて設立された当初は、従業員はわずか5、6人にすぎなかった。同社の従業員は昨年8月までに4000人以上にふくらんだ。
李克強総理は、「大衆による起業・革新の推進は、雇用を拡大し、住民の収入を増加させるだけでなく、社会の縦方向の流動と公平・正義の促進にも有利に働く」と指摘している。多くのアナリストも、革新・起業は、個人の夢の実現にチャンスと空間を提供すると同時に、新たな経済成長分野を絶えず産出し、中国経済のモデルチェンジ・アップグレードに重要な動力を与えるものとなっているとの見方を示している。
「人民網日本語版」2016年2月28日
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