北京市海淀区に住む老人・張海さんは、「今年の冬、北京の空気は本当によかった。青い空、白い雲が頻繁に見られた。昨年と比べて大気の質が明らかによくなったように感じる」と語った。人民日報が伝えた。
中国国務院の李克強総理は5日に行った政府活動報告で、「グリーンな生産・生活スタイルの形成を推進し、生態環境の改善を急ぐ」ことを第13次五カ年計画(2016−2020年)期間の重要な方向性とした。中国環境保護部(省)が発表した2015年全国大気質状況のデータも、張海さんの感覚を裏付けている。2015年、北京の大気質が基準をクリアした日数は186日、前年比14日増加した。PM2.5の年平均濃度は1立方メートルあたり80.6マイクログラムで、前年比6.2%低下した。
青空が増えたのは、中国の環境対策の効果の一つの側面でしかない。近年、中国の各級政府と社会各界は大気・水・土壌汚染対策を重点として汚染に「宣戦布告」し、生態環境保護が顕著な成果を上げている。
新たに改正・施行された「環境保護法」をきっかけに、環境保護の立法がより全面的になり、法執行がより厳格になった。2015年、各級の環境保護当局が決定した行政処分は9万7千件、罰金総額は2014年比34%増の42億5千万元(1元は約17.3円)に達した。2015年9月、中国は「エコ文明体制改革全体案」を発表し、エコ文明改革のトップレベルデザインを行った。
第12次五カ年計画(2011-2015年)期間に、重点業界で立ち遅れた生産能力を淘汰する任務は全て1年前倒しで完成し、工業からの汚染排出状況も絶えず好転している。例えば、火力発電業界の二酸化硫黄の排出量は累計で47%、窒素酸化物は50%それぞれ低下した。
現在、中国の各種自然保護区の総面積は147万平方キロメートルと、陸地国土面積の約14.8%を占め、世界平均水準を上回っている。85%の陸地生態系と野生動植物が効果的な保護を受けている。
環境保護部環境計画院の呉舜沢副院長は「中国の汚染対策設備の建設はすでにおおよそ完了し、汚染対策の成果が見え始めてきた。汚染が最も深刻だった時期を乗り越え、プラスの要素を絶えず蓄積していく重要な段階に入った」と述べた。
しかし一方で、環境保護を長期的に制約するメカニズム・体制面の問題がまだ解決されておらず、多くの地方でグリーンな発展の理念が樹立されていないことにも注意が必要だ。環境保護は「持久戦」が必要であり、根本的な解決に向けた任務は重く、道のりはまだ長い。
「空が青く、緑のあふれる、水のきれいな美しい中国の建設にむけ、根気強く取り組む」——。李克強総理のこの言葉は、中国政府の決心を表している。人々は、中国のエコ文明建設が政策と民意から力強く支えられていると確信している。(編集SN)
「人民網日本語版」2016年3月8日
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