北京で開催中の第12期中国人民政治協商会議全国委員会第4回会議は9日午前、記者会見を開催し、胡暁義・委員が、「今年の予算報告は、年金を約6.5%引き上げると打ち出している」と述べた。中国青年報が報じた。
高齢者問題は社会が注目する大きな課題。中国国家統計局のデータによると、2014年の時点で、中国の60歳以上の高齢者人口は2億1200万人に達し、人口全体の15.5%を占めるようになった。中国は現在、「超高齢化社会」へと向かっており、今後はさらに深刻になって行くと予想されている。
中国青年報社会調査センターはこのほど、「問巻網」と共同で、2006人を対象に調査を実施し、回答者の81.3%が年金をかけているものの、61.2%が退職後、年金だけで生活できるのかと心配していることが分かった。
調査では、回答者の60.4%が年金機関の安全性やサービスの質を心配しており、58.5%が高齢者の通院の問題を心配していた。
陝西省西安市の市民、牛国平さん(51)の子供は息子一人だけ。高齢者問題について、牛さんは「息子は上海に定住している。子供には迷惑をあまりかけたくないので、私と妻は老人ホームに入る予定。でも、老人ホームのサービスが悪いことを心配している。また、年を取れば病気にもなる。地元以外の病院に行って保険がきくのか、とても心配」と語る。
調査では、回答者の悩みの種には、家政婦やヘルパー、老人ホームの料金が高い(44.2%)、質が高く値段も手ごろな老人ホームは空きが少ない(43.8%)、適当な専門のヘルパーが見つからない(24.9%)、心の安らぎどころがない(28.8%)、娯楽が少ない(18.9%)などがあった。
現在、中国はさまざまな高齢者ケアの方法を模索している。調査によると、在宅での介護(38.4%)、在宅でコミュニティとつながりながら行う介護(38.7%)が最も人気。この2つの割合は計77.1%で、残りの12.9%は、老人ホーム、5.0%が不動産を保有して老後に備えるという方法を選んだ。
「どんなことがあっても、老人ホームには入りたくない」。そう語るのは、北京市民の唐さん。「質が高く値段も手ごろな公立の老人ホームは入るのが難しい。また、自分の家も年金もあるし、息子も娘もいる。コミュニティの高齢者ケアサービスも整備が進んでおり、老人ホームに入るより、家で老後を過ごすほうがいい。病気になって、子供も世話しきれないなら、ヘルパーを雇う」と話す。
老後の生活の質をどのように保てばよいのだろう。調査では、回答者の62.3%が「自分でなんとかする」、53.2%が「関連の制度や政策を整備してほしい」、51.1%が「子供に世話してほしい」、46.8%が「財政から投じられる資金を増やしてほしい」、19.9%が「親戚や友人に助けてもらいたい」と答えた。(編集KN)
「人民網日本語版」2016年3月14日
|