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海外経済界が見る「十三五」計画 大国としての責任感

 

ヘッジファンド・ブリッジウォーターの創始者レイ・ダリオ氏は十数年前の中国訪問を皮切りに、年2回の頻度で中国を訪れ、「中国の大きな変化を見守ってきた」と話す。

米国元国務長官のキッシンジャ氏(93歳)は、中米関係の話になるといつも目を輝かせる。

国際通貨基金のラガルド専務理事は、中国の新たな5ヵ年計画からさらに良質で包容的・持続可能な成長の可能性を見て取り、「中国の夢」が近づいていることを実感した。

フェイスブック創始者のマーク・ザッカーバーグ氏は、「娘に中国語を学ばせる約束をした」と語った。

上述の諸氏は先週末、中国政府・世界ビジネス界・学術界の専門家500人と北京の釣魚台国賓館で一堂に会した。彼らから、解決が待たれる問題と困難な状況のほか、世界の経済成長の潜在力の開拓と刺激の方法もわかる。

19日に開幕した中国発展ハイエンドフォーラム2016年年次総会では、「第13次5カ年計画」期の改革と発展・ややゆとりのある社会の全面的な構築・穏健な通貨政策・対外開放・財政税務体制改革の深化・革新に牽引される発展などのテーマをめぐり、出席者は踏み込んだ討論を行った。

世界経済が挫折しながら成長するなか、中国が示した大国としての責任感と積極的な態度は海外の出席者に高く評価された。

供給側改革で経済成長を促進

世界経済が大きく調整されており、主な経済体は史上最も緩和された通貨政策を打ち出した。だが、世界経済は低成長から脱出できず、需要不足・債務過剰・大口商品価格の下落などの問題に直面している。

重要な新興経済体である中国に注目が注がれている。イェール大学の高級研究員でモルガンスタンレーアジア地域元主席のスディフィン・ラキ氏は、サービス業の強靭な成長ぶりを見ると、中国経済のハードランティングは考えられないと断言している。「中国のサービス業はまだ初期段階にあり、発展余地は大きい。大きな潜在力が秘められており、世界にも重要な影響を及ぼすだろう」とした。

また、中国から世界への技術やサービスの提供は、中国ひいては世界の経済成長の動力になる可能性が高い。

サービス業のグレードアップを代表とする改革が中国で展開されている。2015年11月、中央財政経済指導グループ第11回会議で初めて提起された供給側改革は、すぐに国内外の専門家の間で熱く議論された。

ノーベル経済賞受賞者のマイケル・スベンス氏は、供給側と需要側は密接につながっているとの見解を示した。中国経済を発展させるためには需要の刺激も供給側の改革も不可欠であり、資源をさらに効果的に配分する必要がある。これは経済成長を促すための方法であり、政策決定者は真剣な態度で実行に移すべきである。

GDP成長率減速について、マイケル・スベンス氏は「ごく自然なこと」としている。持続的な経済成長と過剰生産能力(特に投資システムの中で積み重ねてきた生産能力)の解消のどちらも当面の急務である。供給側から見れば、特に革新・起業の面で公共と個人の経営システムを構築し、ハイリターンの投資を奨励すべきである。

フェイスブック創始者のマーク・ザッカーバーグ氏は、革新は長期的な問題の解決に役立つと見ている。「中国を楽観視する最も大きな理由は、理系教育を重視していること。今後、世界範囲の雇用状況を見ても、技術関連の採用が多いだろう」と話す。

プライスウォーターハウスクーパース主席のタイレイリ氏は、次世代情報技術によりスマートシティの発展は新たな時代に突入すると見ている。スマートシティの構想と建設は都市住民の生活を改善し、都市の持続可能な発展のための基礎を固めた。これは中国が戦略的な発展において考えなければならないことである。

国際舞台で大国としての責任感を示す

中国が提唱した「一帯一路」は、多くの国がグローバル化に参与するきっかけになった。BNPパリバのジャン・ルミエール総裁は、「こうした提唱は歓迎されている。海上・陸上シルクロードの沿線国が支持し、経済成長や相互接続を望んでいる。経済を成長させ、貿易投資を促し、平和を実現し各国関係のバランス維持にも役割を果たすだろう。中国はこの提唱を通じて、世界的な責任を担う姿勢を示した」と語った。

国際通貨基金のラガルド専務理事は、中国経済のモデル転換は中国にも世界にもプラスであるが、順風満帆とも限らない。減速の背後で持続的な成長の維持と喫緊の構造改革の間でバランスを取る必要があるとし、バランスを保つために次の3つの重要な政策が考えられると語った。

つまり「開放(Open)、縮小(Narrow)、拡大(Expand)」、略称「ONE」である。開放とは、中国経済の市場化がさらに進み、世界経済とのつながりを緊密にすることである。人民元のSDRバスケット入りは世界経済と軌を一つにする中国の決意の表れである。縮小とは貧富の格差・都市部と農村部の格差を縮小し、環境にやさしい発展を重視することである。これにより持続的で広範的な繁栄を確保できる。拡大とは、革新と企業家精神により研究開発への資金投下を拡大し、バリューチェーンを向上させることで新たな経済成長の動力を生み出すことである。

「中国の新たな5ヵ年計画はこうした重要な要素を網羅しており、さらに良質で包容的な持続成長の実現に役立ち、中国の夢の実現にもつながる」と語った。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年3月23日

 

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