中国教育部(省)は25日、「中国・留学帰国就業青書」を発表した。これによると、ここ数年、海外留学した人のうち帰国する人の割合は70%から80%と、留学生の圧倒的多数は、留学修了後、帰国して就業するという道を選んでいる。教育部がこのほど発表した統計データによると、留学終了後、帰国してキャリア発展を目指す人は79.87%に達した。羊城晩報が伝えた。
○男性より女性が多い「海外帰国組」 博士号取得者の多くは「技術畑」
調査結果によると、2014年、留学から帰国して就業した人々の割合は、女性の方が男性を上回り、59.16%を占めた。留学帰国組の80.7%は大学院修士課程修了者、博士課程修了者は9.49%、大学学部・専科修了者は9.81%だった。
教育部留学サービスセンター帰国処の齊黙・処長は、「留学後帰国する人の割合は持続的に高まっている。国内の発展環境がより整ってきたことがその主な理由だ。また、『海外帰国組』の割合は女性がかなり多い。これは、海外での就活・戸籍・個人問題の解決などがいずれもかなりの困難を伴うことによる。よって、今年の留学生春季就職説明会では、留学生の現実の問題を解決するために、某関連機関と協力して、『お見合いパーティ』も催した」と述べた。
留学生の専攻についてみると、さまざまな学歴によって、留学先で学ぶ専門分野には大きな違いがみられる。博士課程学生の主な専攻は、化学・材料・経済学・電子電気工学・機械工学・コンピュータサイエンスなど。修士課程学生で多かったのは、金融・会計・ビジネスマネジメント・管理学・国際ビジネスだった。学部・専科学生の専攻は、修士課程学生とほぼ同じで、ビジネスマネジメント・経済学・会計など。
○修士・博士課程学生は英国・米国を好み、学部・専科学生は韓国留学が最多
留学帰国組の留学先はかなりバラエティに富んでいる。留学者数別のランキングは、多い国から順に、英国・米国・オーストラリア・韓国・日本・フランス・ドイツ・ロシア・カナダ・ウクライナ・シンガポール・オランダ・スウェーデン。
教育部留学サービスセンターで手続きを行った留学生についてみると、留学修了後帰国して就業した人のうち、博士課程学生の留学先は米国が最多で28.95%を占めた。修士課程学生のトップは英国で42.52%、学部・専科学生の留学先は韓国が最多で21.27%を占めた。
○「海外帰国組」修士号取得者の月給、「5千元未満」が約半数
留学帰国意向調査の回答者のうち、国内での希望就業先をエリア別にみると、「東部沿岸都市でキャリアを発展させたい」人が最多で75%、中部地区(15%)がこれに続いた。報酬面については、博士号取得者の留学帰国組の月給は「5千元から1万元(約8万5千円から17万円)に集中しており、博士課程取得者の約5割は「5千元未満」だった。学部・専科課程を終えて帰国した人の月給は、ほとんどが「5千元未満」で、「海外帰国」という勲章によってもたらされる「価値」が、大幅に落ち込んでいる現状が見て取れる。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年3月28日
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