衣類の買い替えサイクルがスピードアップするにつれて、不要衣類もどんどん増えていく。これらの不要衣類をどのように処分するかは、多くの人々にとって悩みの種となっている。経済参考報が伝えた。
中国の多くの都市では、不要衣類の「処分先」に頭を悩ませている。中国資源総合利用協会の統計データによると、中国では、年間約2600万トンの不要衣類がごみ箱行きになっている。リユース率は1%にも届かず、ほとんどの古着は、再加工や無害化処理の対象にはなっていないのが現状だ。
蘭州市政治協商会議の林建平・常務委員は、「だが、実際には、これらの不要衣類は全て、回収・処理・加工プロセスを経て、再生資源となり、再利用することが可能で、ごみは宝に変わることができる。現在、海外の多くの地域では、不要衣類のリユースは、循環経済の重要産業のひとつとなっており、その潜在力は極めて大きい」と指摘した。
中国紡織工業連合会の推計によると、中国の不要紡績品がすべてリユースされれば、1年間に提供可能な化学繊維と天然繊維は、原油2400万トンを節約することができるうえ、CO2の排出を8千万トン減らし、綿花栽培面積を約3分の1節約できる。さらに、不要紡績品は、資源化によって、建築材料、水利道路、医療衛生、自動車内装、家具製造などさまざまな産業に応用できる。
林建平氏は、「海外の多くの地域では、不要衣類の総合循環利用を実現させている。不要衣類を使って再生繊維の生地や自動車用シートなどのエコ製品を製造して、著しい効果を上げており、中国もぜひ参考とすべきだ」とコメントした。
日本は古着のリサイクルを推進しており、その87%は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)を通じてリメイク後難民に届けられ、3%は発電に利用され、10%は断熱材に加工される。スイスでは、早や1978年に、古着の回収・再利用を行う専門の会社が設立された。米国では、古着の80%がリメイク後寄贈され、残る20%は再利用されている。
中国では、2006年に「再生資源法」が施行されたが、古着の回収に関しては、相応の条項が定められなかった。このため、不要衣類の回収は、巨大な潜在力を秘めているものの、実際の回収・再利用のプロセスについていえば、蘭州を含む数多くの都市では、不要衣類の回収・処理・加工・再利用の有効なシステムや運営方式がいまだに確立されていない。
林建平氏は、「政府の関係当局は、不要紡績品を現地政府の政策と循環経済の発展に組み入れ、合理的かつ持続可能な回収利用モデルと利益分配体制を模索し、各種発展奨励策を発表する必要がある。特に、企業と個人に対して不要衣類の回収・加工業への投資を奨励し、構築した不要衣類の処理・加工・再利用システムによって、不要衣類回収・再利用の大規模化・規範化発展を推進しなければならない」と提案した。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年3月29日
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