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国債格付けの見通し引き下げ 大きな変動なし

 

米格付け会社のムーディーズに続き、同じく米格付け会社のスタンダード&プアーズもこのほど中国国債の信用格付け見通しを「安定」から「ネガティブ」に引き下げた。だが格付け界の「専門家達の意見」は市場に浸透したとはいえない。国内の株式市場、債権市場、人民元レートの動きをみても、海外での国債利回り、オフショア人民元レートをみても、見通し引き下げの影響による大きな変動はない。新華社が伝えた。

確かに、中国は経済成長率がギアを切り替え、構造調整の痛みを経験し、新旧のエネルギーが転換するという新常態(ニューノーマル)のさなかにあるが、供給側の構造改革といった革新を通じて難問を解決しつつある。このような過程の中、リスクの評価を迅速に行うことは問題の発生予防にプラスではあるが、故意に問題を誇大化するのは人為的に緊張状態を作り出すことにほかならず、中国にとっても世界にとっても無益なことだ。

赤字の状況をみると、2016年の中国の財政赤字は2兆1800億元(約37兆3065億円)に上り、赤字率は3%で、15年の2.3%を上回った。だがこれは必要な財政支出と政府投資を適宜増やすとともに、減税と諸費用の削減といった改革措置を進めたからだ。こうした措置は中長期にわたり市場の活力と社会の創造力を喚起することになる。

投資をみると、中国経済に占める投資の割合は一部の先進国よりは高いが、スタンダード&プアーズの言うように投資の割合が30~35%で安定しなくては経済が持続可能にならない、とは限らない。財政部の評価によると、中国の投資の割合は40%を上回り、これは中国経済の発展段階によって決まったもので、中国には引き続き一定規模の投資が必要だ。長期的にみれば、中国の投資の割合は低下傾向にあり、投資構造も絶えず最適化に向かい、消費が経済成長の主力になり、経済の再バランスが緩やかに進んでいる。

 

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