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中国、週末の「2.5連休」政策の実施がどれほど進むか

 

今月1日より、中国ではさらに一部の地域で、週末の「2.5連休」の導入が始まった。2015年8月に、国務院弁公庁が初めて、「金曜日の午後+週末」という政策を打ち出して以降、現在、中国全土の少なくとも8省(区・市)が関連の指導意見を発表、5地域が細則を発表している。

国務院弁公庁の関係責任者は1日、「夏季の週末にフレックスタイム制を導入すると、観光の需要を刺激するだろうが、各地は、休暇制度を調整する際、国の関係規定を厳守しなければならず、自由に調整することはできない」と指摘した。専門家は、「いかに、法規の枠組み内でフレックスタイム制を導入し、市民が良い時に確実に休めるかが課題。今後、休暇の効果的な設置や労働監察保障、レクリエーションのインフラなどの分野で、計画が必要」との見方を示している。

週末のフレックスタイム制導入は春・夏・秋に集中

江西師範大学歴史・文化観光学院の馮淑華・教授は、「中国の生産力が向上するにつれ、国民の生活水準も徐々に向上し、週末の休暇も、1日から、1.5日、2日、さらには2.5日へと変化している。これは、社会が進歩していることの証」との見方を示す。

国務院弁公庁が15年8月に発表した「観光投資と消費を一層促進することに関する若干の意見」では、初めて「金曜日の午後+週末」という政策に言及した。現在、河北省、江西省、重慶市、甘粛省、遼寧省、安徽省、陝西省、福建省などが「意見」を正式に発表し、条件が整う地域や企業に対して、休暇の分散化やフレックスタイム制の導入などを奨励すると明確に言及している。

フレックスタイム制を導入している地域や政府機関をまとめてみると、春・夏・秋の3シーズンに集中していることが分かった。例えば、貴州省黔南州は5月1日から10月31日、上饒市は6月1日から8月31日、湖南省寧郷県観光局は7月1日から10月1日と、夏と秋にまたがっているのに対し、吉安市や晋中市は4月1日から10月31日と春、夏、秋の3シーズンにまたがっている。

主な抵抗は雇用先から

週末の「2.5連休」について、一部のネットユーザーからは、「休暇なのか、それとも振り替え休日なのか?」、「政策が着実に実施されなければ、また不公平な状況ができてしまうのでは?」と、疑問を呈する声が上がっている。

中国未来研究会観光分会の劉思敏副会長は、「『2.5連休』を実施すると、有給休暇制度が着実に実施されることにつながる。中国政府は、有給休暇を保障する法規を制定しているが、実施状況は理想的とはいえない。主な抵抗は雇用先から来ている。とくに中小企業での実施が進んでいない」と指摘する。

では、どのように休暇を制定するのだろう?国務院弁公庁の関係責任者は1日、「国務院は、従業員の勤務時間について明確な規定を制定している。金曜日の勤務時間を直接他の日に組み込むことはできない。金曜日の午後の休暇を有給休暇にするかは、実際の状況に応じて決め、政府の業務や企業の生産・経営、従業員の利益などを総合的に考慮しなければならない。実際の状況を考慮せずに、単に年次有給休暇や法定の祝祭日から差し引くことはできない」と説明した。

■専門家「政策の確実な実施には監督が必要」

中国人民大学の許光建教授は、「一部の地域や政府機関において、先立って週末の『2.5連休』を試行するようになっているが、いかに法律・規定の範囲内で、フレックスタイム制を着実に実施し、実際に実施する過程で、型を崩さず、ずれを生じさせないかを、各地は重視するべき」と指摘した。

華東政法大学の方楽華教授は、「ほとんどの中小企業は、有給休暇制度の実施においてグレーゾーンにある。関係当局は、その着実な実施状況の監督、検査を強化し、規定に違反している事業機関に対しては、法律に沿って責任を問わなければならない。そして、フレックスタイム制が、より多くの人に公平に利益をもたらすようにしなければならない」と指摘している。

曹国新氏は、「休暇の分散化や柔軟な制度に関する指示を明確にすべき。一部の地域、特に観光名所のある地域は、政策の推進の過程で、観光シーズンを避け、オフシーズンなどにフレックスタイム制を導入することを考慮すべき」と指摘している。

華東師範大学・観光学部の楼嘉軍教授は、「『2.5連休』の推進により、現地の人が地元で遊ぶという需要が高まるだろう。また、観光は『市民化』の方向に発展しており、都市の大通りや路地を行き来する観光客が日に日に増加している。都市観光の受け入れ能力やレクリエーション施設の供給などもさらなる整備が必要」との見方を示している。(編集KN)

「人民網日本語版」2016年4月8日

 

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