劉奇葆・中共中央政治局委員(中央書記処書記、中央宣伝部部長)は3月28日、全国報道官育成研修会において、報道官は果敢に声を発し、それを得意とし、政治を語り、政策に精通し、状況を把握し、話ができ、果敢に物事を担っていくことのできる人物にならなければならないと強調した。
公開は方向であり、透明は常態となっている。統計によると、2015年、国務院新聞弁公室、党中央国務院各機関、各省(区・市)および新疆生産建設兵団は、2014年比で300回余り多い計2800回近い記者会見を開催、記録を更新した。中国の記者会見への取り組みには改善の中で強化され、革新の中で向上し、評価に値する成果を収めた。人民日報が伝えた。
定例記者会見が常態化
国家安全監督総局の黄毅・前報道官は、「7、8年前に、我々は一部中央メディアと事故速報メカニズムの構築に関する協定に調印した。大事故の報告を受ければ、即時記者に通達して現地に派遣することとなった」と紹介した。2001年より、黄氏は15年にわたり報道官を担い、中国の報道官制度の初期段階から健全な枠組みが構築されていくまでの過程を見守ってきた。
現在、中央政府の要求に基づき、中国は79の機関と各省(区・市)、新疆生産建設兵団の報道制度を制定し、健全な情報発表システムの構築、情報発表の責任の実行、プラットフォームとメカニズムの充実化、報道官の発言権、義務の明確化といった面で明確な規定を要求した。
「4・2・1+N」の報道モデルは、各中央機関のトップはなじみがあるはずだ。これは昨年5月に国務院新聞弁公室がマクロ経済、民生関連および社会関心事項の多い機関に打ち出した「譲れない要求」の内容である。「4」とは、四半期毎に記者会見を開くこと。「2」とは、これらの機関の責任者が半年毎に少なくとも1回、年2回の記者会見に出席すること。「1」とは、これらの機関の主な責任者が毎年少なくとも1回の国務院新聞弁公室記者会見に参加することである。
記者会見のメカニズムの定期化、常態化と同時に、報道官自体の成長も見られる。現在、68の機関と29の地方現任報道官が要求に基づき国務院弁公室主催の関連の研修に参加しており、中央機関のほとんどとすべての地方に庁・局級以上の幹部が担当する報道官を設けている。
北京大学国家戦略発信研究院の程曼麗院長は、「近年、一部の機関や地方は、かつて記者会見制度が欠如し、メディアと向き合うことを恐れていたことから次第に制度を充実化させるようになり、自発的に声を上げ、報道官の陣営も強化され、中国の記者会見制度は目覚しい成果を収めている」と述べている。
ますます世論に評価される「自発的な発表」
中国における記者会見の数と質には顕著な改善がみられる。各機関と各地方は党と政府の重要方針、社会関心事、機関の重点活動および地方の経済社会発展等をめぐり、的を絞った記者会見を開いており、情報量も豊富で、世論の良好な評価を受けている。
年初、米海軍のミサイル駆逐艦「ウィルバー」が西沙諸島海域に侵入し、中国の島嶼防衛部隊と海軍艦隊が警告を出し、国防部(省)の楊宇軍報道官が「米軍の行動は関係海域の平和と安全、良好な秩序を乱す著しい違法行為であり、地域の平和と安定に寄与しない。中国国防部は断固たる反対の意を表す」ときっぱり語った。近年、外国籍の船舶・飛行機が許可なく中国の領空領海を通過したり、メディアが中国軍の配備や軍事活動を大げさに騒ぎ立てることがあるが、国防部は当日、早いときは2時間以内に声明を出している。
今年の両会(全国人民代表大会・全国人民政治協商会議)では「部長通路」が記者会見の「黄金通路」となり、34名の部長(大臣)を含むのべ41回の記者会見がここで行われた。記者の声に対し、部長らはかつてのように手を合わせるだけで立ち去るといった光景は見られなくなり、敏感な問題も避けることなく、ホットな話題もごまかすことなく、率直に様々な回答を出した。各機関・各地方の多くのトップが自主的に「第一報道官」を担うだけではなく、記者会見やインタビュー、電話、ファックスなど様々なルートで積極的に世論の問いかけに答えており、それが常態化している。
報道官にとって、緊急対応や生放送は日常茶飯事で、一旦失言があればメディアに足をすくわれ誇張され、報道官に大きな圧力を与えている。南京大学報道発信学院の丁和根教授は、「報道官の回答に失言や言い間違いがあった場合の容認メカニズムが必要だと」指摘、報道官の失言を寛容に受け止め、彼らを十分理解し、認め、励まし、ゆとりある環境を作らなければ、報道官は「言わなければ責任を取られないが、言い誤れば責任を取らされる」という非常に気まずい状況に追いやられることになると提言している。
前出の程院長は、「関連の責任者はメディアへの理解を深め、メディアとネットユーザーとの交流を真に学び、情報の発表後は、プラスの評価や「いいね」の数だけを見るのではなく、批判に耳を傾け、また、国内の発表には世界も注目しているという意識を強め、国際化された発表プラットフォームを充実させていかなければならない」と提案した。(編集MI)
「人民網日本語版」2016年4月12日
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