中国の第1四半期の経済データに海外メディアから高い注目が寄せられている。中国の経済成長が予想を上回り、経済の構造転換と再バランス化が進み、正しい方向に向かって前進していると、海外メディアは概ねポジティブに評価。過去に比べ経済成長率はやや鈍化したものの、依然として中国が世界の経済成長をけん引する主な原動力と指摘した。
米ウォール・ストリート・ジャーナルは記事で、中国の経済データが市場予想に合致しているとの見方を示した。中国経済に下押し圧力がかかる中、世界各国の財務大臣、中央銀行総裁は今年初めに中国経済の減速が世界的な経済危機を誘発することを懸念していた。しかし、いまは彼らがほっとしたという。また、同紙に掲載された『中国の経済改革措置で世界経済への懸念が一服』を表題とする記事によると、先ごろワシントンで開かれたG20財務大臣・中央銀行総裁会議に出席した各国の高官はそろって「経済の安定化に向けた中国政府の努力が、同国の経済成長に対する世界の懸念を解消した」との見方を示した。
米AP通信は記事で、世界第2位の経済大国である中国の経済成長は安定しつつあり、過去に比べ経済成長率はやや鈍化したものの、依然として中国が世界の経済成長をけん引する主な原動力と指摘した。
17日に閉幕した国際通貨基金(IMF)と世界銀行のワシントン会議で、経済の安定成長に向けた中国政府の取り組みに対し参加者らは称賛すると同時に、世界市場が徐々に落ち着きを取り戻していると指摘した。IMFのクリスティーヌ・ラガルド総裁は、「中国経済の持続的な成長鈍化に対する懸念が後退している」との見方を示している。
メキシコのビデガライ財務相は、「中国に対する世界の確信が強まった。経済成長をけん引できるレベルの需要を維持する力を中国は持っている」と評価した。
日本メディアも中国の第1四半期経済データを注視。各紙がいずれも報道したほか、朝日新聞や日経新聞は中国企業インタビューや、地方の経済発展などをめぐる特集を掲載した。
日経新聞は中国の3月の輸出の伸びを取り上げた。3月の輸出額が前年同期を11.5%上回り、EU、米国、日本など主要貿易相手国向けの輸出額はいずれも顕著に増加したと指摘している。
また、日経新聞は社説で、中国経済が高速から中高速の成長へシフトする中、世界経済に重大な影響を及ぼし、「中国政府には危機感があり、景気の腰折れを防ぐ様々なテコ入れ策を打ち始めた」と指摘。また、「13年11月に開いた経済政策の方向性を示す共産党中央委員会第3回全体会議(3中全会)では、市場メカニズムを重視し、中央政府の管理を減らす構造改革の断行と、その理念に沿った国有企業改革がうたわれた」としている。
ドイツのニュース専門チャンネル・N-TVは報道で、今年第1半期の中国の経済成長率が6.7%に達し、専門家の予想を上回ったと指摘。向こう数カ月にわたって中国経済が安定に向かう兆しが経済データに表れ、設備投資、工業生産、小売売上高などはいずれも予想を上回る成長を確保しているとの見方を示した。
ドイツの日刊紙・ディ・ヴェルトは、中国の輸出が数カ月ぶりにプラス成長に転じたと報道。中国経済にとってこれが一つの好材料だと評価している。第13次五カ年計画(2016~20年)期間中において、重工業・粗放産業主導型の中国経済がスマート化・サービス主導型への転換を中国政府が成し遂げると指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年4月19日
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