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重点消費財の品質向上を目指し、中国国務院が『行動計画』を発表

 

中国国務院弁公庁はこのほど、『品質発展綱要の実行・徹底に関する2016年行動計画』を発表した。2016年の重要課題として、◇品質・ブランド力向上の原動力の強化、◇品質・ブランド力向上を促す環境の整備、◇品質・ブランド力競争における新たな優位性の育成、◇品質・ブランド力向上の基盤強化、◇品質・ブランド力向上プロジェクトの実施--の5項目を掲げた。

『行動計画』は品質改善に向けた取り組みの更なる推進を求めた。空気清浄機、炊飯器、温水洗浄便座、スマートフォン、玩具、乳幼児衣料品、台所用品、家具など消費者の関心が高い消費財を重点に、「供給改善特別プロジェクト」を立ち上げる。消費財品質向上プロジェクトを推し進め、種類の拡充、品質の改善、ブランドの確立を図る。また、従業員の業務スキルや資質の向上にも努めるよう求めている。具体的には、◇国家ハイレベル技術人材振興計画の実施、◇ハイレベル技術人材の育成の推進、◇企業の管理人材の資質の向上、中小企業に適切な専門人材の育成--など。

供給側構造改革の5大課題・『三去一降一補』に盛り込まれた余剰生産能力の解消についても指示。「品質改善に向けた取り組みの強化を通じ、老朽設備の淘汰と余剰生産能力の解消を図る」との方針を踏まえた解決案を提示している。

具体的には、石炭、鉄鋼、電解アルミ、石油化学工業といったエネルギー消費が高い、汚染が深刻な産業において、生産許可・業界参入制度・規制を厳格に執行し、基準に基づき老朽設備の淘汰と余剰生産能力の解消を推進する。

今年に開かれた中国発展ハイレベルフォーラムで、万博経済研究院の滕泰・院長は取材に対し、「生産能力の解消は一つの技術だ。適切な方式、方法を見つけなければならない」と指摘した。「適切な方式、方法」とは、目的を達成するとともに、その過程で生じる経済への痛みをできる限り軽減することだ。複数の業界関係者は、品質基準の引き上げから着手することが一つの良い選択肢だと指摘している。このため、業界参入基準や、環境面、安全面などの基準の厳格化が、老朽設備の淘汰と余剰生産能力の解消に繋がる重要な措置となる。

このほか、『行動計画』は品質技術イノベーションの推進を強調。自動車、ハイエンドデジタル工作機械、軌道交通装備、大型機械装備などの重点分野において、品質面の課題を乗り越え、品質に大きな影響を与えるコア技術を獲得する。工業技術改造の重点プロジェクトデーターベースを整備し、企業の品質・技術改造へのサポートと指導を強化する。重点工業分野で信頼性設計、実験・検証、製造性考慮設計といった先進的な品質管理技術の応用を拡大する。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年4月20日

 

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