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日本外相の4年半ぶりの訪中、専門家「『同じ方向に向かう』には誠意が必要」

 

王毅外交部長(外相)の招待を受けて、日本の岸田文雄外相が29日から3日間中国を公式訪問する。日本の外相の正式訪中は2012年末の第2次安倍政権発足以来初であり、2011年11月の玄葉光一郎前外相の訪中からは4年半ぶりだ。人民網が伝えた。

現在中日関係は改善基調を呈しているが、依然少なからぬ試練に直面している。歴史認識、領土紛争などは懸案のままだし、近年日本は南中国海紛争に度々干渉しており、両国関係は順調にいかないのが常だ。岸田氏の訪中が中日関係の行方にどのような影響を与えるのかに、各方面は注目している。

岸田氏の今回の訪中には象徴的意義があり、中日双方はこれを利用して関係改善のシグナルを発するかも知れないとアナリストは指摘する。関係改善の意向を中国側に示し、東中国海や南中国海の問題での立場を表明するとともに、年内の首脳会談実現を目指すことなどが、訪問の重要な議題となる。

■岸田氏訪中の目的

清華大学の日本専門家・劉江永氏によると、今回の訪問は両国にとって今年の重要な外交日程であり、双方は南中国海や首脳会談などについて話し合うと見られる。だが一度の訪問で全ての問題を解決することはできず、中日関係改善には双方が多くの努力を払う必要がある。

中国社会科学院の日本問題専門家・張季風氏によると、岸田氏の訪中には一定の象徴的意義がある。今年後半に中日韓首脳会談が東京で開催されるかもしれず、今回の訪問ではこれに向けた前段階の準備をする可能性がある。今年は中日経済ハイレベル対話も実現する可能性があり、同制度が再開された場合、中日間の経済協力が後押しされる。だが張氏は同時に「訪問では善意を示し、少なくとも改善の方向へ進むだろうが、過度の期待はできない」と指摘する。

G7は5月末に日本の伊勢志摩でサミットを開催する。現在各方面は、日本が議長国として再び海洋安全保障問題に言及するかどうかを注視している。今年後半に中日首脳が多国間活動の中で会談を実現できるかどうかは、南中国海問題における日本の態度次第だとアナリストは指摘する。

■自民党ハト派の宏池会に属し 安倍氏の腹心は「真綿に針を隠す」

岸田氏は4月25日の読売国際経済懇談会で「新時代の中日関係」と題する演説を行い、中国に対して一定の前向きなメッセージを送った。岸田氏は「中国側との率直で誠意ある対話を通じて、新時代にふさわしい日中関係の構築を推し進めたい」と表明した。

訪中前の演説について、中国社会科学院の日本専門家・李若愚氏は「演説で岸田氏は中日関係の向かう方向について、主に3つの展望を示した。第1に、協力の拡大。第2に、課題や懸念事項への対処。第3に、国民間の相互理解と相互信頼を培う。3つのうち2つは『協力、相互信頼』という両国関係の改善に資する提案に言及している。だがもう1つの、いわゆる『課題や懸念事項への対処』は『真綿に針を隠す』だ。前向きな姿勢表明をすると同時に、中国の軍事力発展、海洋活動などの問題への言及も忘れなかった」と指摘した。

アナリストによると、岸田氏は自民党の重要な政治家であり、衆議院議員に繰り返し当選している。岸田氏は自民党の宏池会の会長でもある。宏池会はハト派であり、対中友好の伝統を持つ。記者が資料を調べたところ、2006年に岸田氏と古賀誠元自民党幹事長、遺族会会長(当時)ら8人は南京大虐殺記念館を見学。古賀氏は記念碑前で献花した。

岸田氏は同時に安倍晋三氏の腹心でもある。二人は1993年に国会議員に当選した「同期」だ。宏池会に属する岸田氏は歴代安倍内閣に入閣している。初めて外相として訪中する岸田氏は、どのような成果を挙げて今後の政治人生のための地ならしをするのだろうか。結果が待たれる。(編集NA)

 

 

「人民網日本語版」2016年4月29日

 

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