中国の鉄道車両最大手、中国中車傘下の大連機車車両有限公司(大連機車)は10日、同社が開発・製造したMRT車両3両がフィリピンで運行を開始したと発表した。初運行にフィリピンのBucayan運輸通信副大臣などの政府高官が乗車したという。
今回納入したMRT車両は大連機車が2014年6月に受注したもの。契約額は5億4000万元。フィリピンで中国企業による都市鉄道車両の受注はこれが初めてだった。
大連機車によると、車両はフィリピン首都マニラのMRT3号線に投入される。全長31メートル、幅2.5メートル、高さ3.65メートル。最高時速は65キロで、最大4両編成で運行できる。
赤道に近い沿海都市のマニラは月平均最高気温が30度に達し、大気中の塩分濃度も高い。台風や豪雨が頻発するなど、気候は複雑で変わりやすいのが特徴という。
これに対応するため、車両設計時に現地の自然条件を考慮し、耐侵食性の高いステンレス鋼車体、大出力空調、電気式ドア、自動連結器などを採用。高温・高湿のマニラの気候に耐えられる車両を作り上げ、安全性と快適さを向上させている。
足元でMRT3号線の乗客数は1日あたり延べ60万人を超え、設計容量の倍以上に達している。中国製MRT車両の投入によって、MRT3号線の輸送力は60%以上向上する見込みで、マニラ都市鉄道の混雑緩和に寄与する。
中国網日本語版(チャイナネット)2016年5月12日
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