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10月の人民元SDR正式採用、IMFは「準備万端」

 

国際通貨基金(IMF)のデビッド・リプトン筆頭副専務理事はこのほど、「人民元の使用範囲と規模の拡大にともない、人民元を特別引き出し権(SDR)に採用することは正式決定であり、IMFの準備も整っている」と述べた。16年10月に予定している人民元のSDR正式採用は最終段階を迎えている。

リプトン氏の発言は、人民元のSDR入りに対するIMFの期待をあらわにしている。中国は世界第2位の経済大国、第1位の貿易大国。人民元は世界第4位の決済通貨、第2位の貿易金融通貨、第6位の国際銀行融資通貨、第6位の為替取引通貨、第7位の国際準備通貨に躍進している。発展途上国の通貨として、人民元が国際通貨に仲間入りすることによって、SDRの代表性と魅力が増し、国際通貨体制の公平・公正かつ秩序ある発展を促す。

新興国通貨がSDR通貨バスケットに採用されるのは人民元が初めて。新たな通貨バスケットの構成比をみると、人民元の比重は米ドルとユーロにつぐ3位だ。これには重大な意義がある。人民元のSDR入りは中国の世界への貢献であり、世界の発展問題を解決する新たなツールになると専門家は指摘する。発展途上国間の貿易拡大を促進し、通貨・金融面の協力を深め、世界の発展で南南協力が新たなハイライトになる。

人民元のSDR入りについて、米コーネル大学のプラサード教授は「国際貿易、融資、世界経済全体において中国の役割がますます向上していることを反映する」とコメント。海外メディアも人民元のSDR入りに高い関心を示している。『ウォール・ストリート・ジャーナル』は「中国が世界の経済強国に成長する過程における一里塚」、ブルームバーグ社は「世界経済にとっても重要な一里塚である」と伝えた。

さらに、人民元のSDR入りは中国の経済発展において現実的な意義を持つ。新常態(ニューノーマル)時代を迎えた中国経済に新たな成長力を降り注ぐ。市場の主体である企業にとって、国際貿易決済で選択肢が広がる。商品の輸出入やクロスボーダー取引で人民元を建値通貨、決済通貨にすることで、為替リスクと為替コストを減らし、国際市場の開拓にプラスに働く。対外投資においては、中国の投資規模の拡大や「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)構想の推進にともない、企業は手持ちの人民元で投資することが可能となる。新たな投融資ルートを切り開き、通貨の「壁」を取り除く。一般的な国民にとって、人民元グローバル化の加速で旅行、買い物、留学など海外消費の利便性が一層高まるほか、世界を視野に入れた資産運用も実現する。

 

チャイナネットより2016年5月12日

 

 

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