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「権威筋」が語る、2016年の中国通貨政策の方向性

 

近頃、「権威筋」が人民日報に頻繁に登場し、中国の経済運営やマクロコントロールなどに関する意見を発表したことが大きな話題になっている。中国のマクロコントロールの重要な手段である通貨政策もまた、高い関心を集めている。「権威筋」は、中国人民銀行は今後も通貨政策の連続性と安定性を維持し、数量・価格など様々な通貨政策ツールを総合的に活用し、政策の組み合わせを改良、融資と貸付の構造を改善し、数量と価格の2方面から構造調整とモデルチェンジ・アップグレードに適した環境を整えていくと指摘する。

「権威筋」は中国の今後の通貨政策の特長として、以下の3つを挙げた。

(1)通貨政策の複数の目標のバランスをより重視

金融拡大と経済刺激による成長のエッジ効果が徐々に減少し続ける中、金融緩和で経済成長を加速させる、分母を大きくしてレバレッジ率を下げるといった発想は完全に捨てなければならない。各金融市場に存在するリスクに対して、金融監督管理部門は密接に協力して状況を調査し、緊急対応プランをしっかりと作る必要がある。銀行の貸倒は上昇しつつあるが、これは経済問題が金融部門に必然的に反映されたものだ。ゆえに、将来の通貨政策では、供給側構造性改革の総需要の管理を着実に実施し、通貨政策のコントロールと改革の深化を密接に結びつけ、構造性改革のために適切な金融環境を整えなければならない。このためには、貨幣政策ツールを運用し、通貨政策伝導メカニズムをスムーズ化する際に、市場により多くの流動性を提供して金融の実体経済へのサービス能力を高め、金融運営の効率を高める必要がある。また一方で、マクロプルーデンス政策の枠組みにおいて、流動性の大幅な拡大によるバブルの発生を防ぎ、貸付および社会融資規模を合理的な増加の範囲内に抑え、系統的・地域的リスクが発生しないようにする必要がある。中国は新たな時期の通貨政策の制定と実施において、「安定成長、構造調整、改革促進、リスク防止」の4つの目標を同時に達成する必要がある。

(2)人民元国際化の通貨政策に対する負の波及効果を弱める

為替市場は通貨政策の自主性の向上、国際収支の自動調整メカニズムの発揮に立脚しなければならず、相場の基本的な安定を維持すると同時に、市場の需給を基礎とし、双方向に 変動し、柔軟性を持つ為替相場メカニズムを徐々に形成しなければならない。このためには市場化された人民元レート形成メカニズムをより一層完備し、人民元の双方向の変動の柔軟性を高めなければならない。理論的には、資本項目における兌換の自由化が完全に実現していない国では、通貨政策の相対的な独立性を維持することができる。逆に資本項目における兌換が自由化すれば、その国の通貨政策は外部からの衝撃や他国の通貨政策の影響を受けるようになり、通貨政策に対しても負の波及効果が及ぶ可能性がある。人民元国際化が進むに伴い、為替市場の発展促進、人民元の流出・還流のルート拡大、資本流動と為替レート水準の安定、資本流出の圧力低減、通貨切り下げリスクの防止といった問題に関しては、人民銀行が通貨政策の柔軟性と慎重性を把握する必要がある。

(3)金融革新ツールが通貨政策の調整能力を高める

2014年以降、外国為替資金残高のヘッジは中国人民銀行がベースマネーを発行する主な根拠ではなくなった。これは主に、こうしたやり方では通貨増加の需要を満たせなくなったからである。同時に、人民銀行の通貨政策ツールも絶えず革新されており、市場の流動性増加の手段が増えたこともある。中国の国債の規模が絶えず拡大し、マネーマーケットがますます成熟するにつれ、人民銀行の公開市場操作に必要な満期前の債券が大量に存在するようになり、様々な政策ツール創設の可能性が増えた。近年、公開市場操作は通貨政策操作の最も重要なツールになりつつある。公開市場操作、再融資、再割引およびSLO、SLFといった流動性ツールの革新と頻繁な使用に伴い、人民銀行の短期的な市場調整、重要ポイントにおける流動性調整、マネーマーケットの金利変動緩和の能力もますます高まるとみられる。(編集SN)

 

「人民網日本語版」2016年5月17日

 

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