オーストラリアのローウィ研究所のウエブサイトに5月19日掲載された記事によると、主要20カ国・地域(G20)サミットの中国開催は重大事となる見通しだ。G20が現在抱える協議事項を固め、経済面に焦点を当てることに、中国政府は積極的に取り組んでいる。
世界経済の成長が持続的に鈍化するなか、G20サミットはここ数年にわたり、構造改革をめぐる議論に注力してきた。ただ、各国がそれぞれ問題を抱えているため、一国内のみで構造改革を進めるのは容易ではない。
中国には、困難でリスクのある経済改革を恐れずに進める意向を海外に示し、他国のためにモデルを確立して、他国が中国を見習って改革を進めることを後押しするチャンスが訪れる。同ウエブサイトに掲載された「G20モニター、G20議長国中国にとっての新たな検討事項」と題する記事で、デビッド・ダラー氏は、中国がグローバル経済に最も貢献できるのはサービス業の改革と指摘した。
この記事の中で、G20は基本に戻って提携と交流に注力する必要があるとの見方が示された。G20は、長期的な目標を3つ設定している。まずは、2018年までにG20全体の国内総生産(GDP)をさらに2%成長させること。次に、G20加盟国における男女間の雇用率格差を2025年までに25%削減すること。3つ目は、労働市場から永久に取り残される可能性の最も高い若者を2025年までに15%削減すること。
中国はこの成長率と就業の目標を達成し、軌道に乗せる可能性が最も高いと考えられ、そうなれば2014年のG20オーストラリアサミットでの合意事項も実現する。さらに重要なのは、G20による「安請け合い」という信用問題の解決にもつながることだ。
ニコラス・ベロン氏は、G20が現在直面している問題として、金融の監督管理を挙げた。グローバル金融危機の発生後、G20各国による金融の監督管理への取り組みは称賛され、G20サミットの最も大きな成功事例の一つになったと指摘。金融の監督管理は今後も引き続き改善が必要で、例えば世界的な機関に適切な身分を与え、グローバル金融デリバティブ市場の基準制定を任せても良いとしている。
中国で開かれる2016年のG20サミットでは、いくつかの変化がある。中国は協議事項に革新を加えた。グリーンファイナンスの検討がその一つとなる。
トリストラム・セインズベリ―氏は、中国人民銀行、イングランド銀行、国連環境計画(UNEP)が、グリーンファイナンスの研究グループを創設したことが、G20の大きな成功と指摘。
G20杭州サミットの開幕まで3カ月ほどとなった。中国はサミットの議長国としてパフォーマンスが評価されるが、これまでは全てが順調だ。中国当局は引き続き、9月のコンセンサス確立に向け臨戦態勢を取る。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年5月24日
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