765万人!今年大学を卒業する学生数は過去最多記録を更新した。さらに、経済の下振れ圧力は依然として大きいことから、今年は「最も困難な就業年」と言われている。しかし調査の結果、新卒者の多くが楽観的な気持ちを抱いており、今年の就職戦線を何とか生き残れるだろうと期待していることが判明した。また、彼らが予想する初任給額は平均5千元(1元は約16.7円)を下回った。中国新聞網が報じた。
○報告:新卒者の過半数、「今年の就職戦線を何とか生き残ることができる」
求人サイト「智聯招聘」が中国新聞網に提供した報告によると、大学新卒者の半数以上は、「今年の就職戦線を何とか生き残ることができる」と考えていた。彼らがこのような楽観的な心理状態を抱いている理由の一つとして、今年の新卒者がまだ実際に社会人になっている訳ではなく、人材市場の競争圧力を実感していないことが挙げられる。また、「90後(1990年代生まれ)」の多くが、物が豊かな時代に育っており、生存競争に対する圧力をさほど実感していないことがもう一つの理由とみられる。
各求人サイトの報告でも、「90後」の大学新卒者にとって、仕事は、「生計を得るための手段」だけではなく、「自己実現する上での重要なプロセス」でもあると指摘されている。
○新卒者が予想する初任給額は5千元以下
注目すべきは、複数の求人サイト報告によると、2016年大学新卒者のほとんどが、予想される初任給を低く見積もっていたことだ。智聯招聘の報告によると、2016年大学新卒者が予想する初任給額の平均は4985元。「58同城」の調査研究データによると、新卒者のうち、「初任給は4千元以下」と予想している人は6割を上回った。また、「趕集網」」は、「新卒者の半数以上が予想する初任給は3千元以下」としている。
○業種:インターネット関連業・金融業が新卒者に人気
「58同城」人材担当の劉侃氏は、新卒者のポスト選択に関し、「今年の人材市場では、事務や総務関連など条件が比較的緩いポストのほか、自動車、電子、コンピュータ、メンテナンス、エンジニアリングなど技術的な価値がやや高い第一線の技術ポストが、企業側の人材ニーズとマッチしたことから、『最も困難な就業年』において最も就業しやすいポストとなった」と指摘した。
赶集網の報告によると、ホワイトカラーのポストのうち、事務関連は新卒者に最も人気があり、求職者の割合は8.5%に上っている。ブルーカラーのポストでは、技術労働者・現場作業ポストの求職者が最も多く、5.06%を占めた。
智聯招聘のデータによると、新卒者が就業を希望する三大業界は順に、▽IT/インターネット/通信/電子▽金融/銀行/投資/基金(ファンド)/証券/保険▽政府/公益事業/非営利組織――だった。また、実際の就業者数別にみると、IT/インターネット/通信/電子業界は、今年度新卒者を最も多く採用する業界となり、29.5%を占めた。加工/生産/製造/自動車業(16.1%)と金融/銀行/投資/基金/証券/保険業(13.7%)がこれに続いた。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年5月24日
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