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日本介護トップのニチイが中国進出

 

▽人材が大きな難題

 

ニチイのコア競争力は人材育成プランにある。介護サービスを提供する中で、専門の評価担当者(ケアマネージャー)が高齢者の状況を分析し、最終的なケアプランを作成することになっている。

注意すべき点は、ニチイがうち出す専門的介護職員は長年の実務経験が必要であり、企業は長期的な育成を行い、育成にかかる費用は職員自身が負担するということだ。増田董事長は、「介護職員1人を育てるのに大体7千元かかる。この費用は働く中で少しずつ徴収していく。職員の育成と顧客へのサービスの2本建てで費用を徴収する、これがニチイが日本で展開するビジネスモデルだ。こうした方法を取るからこそ、企業は職員を厳しくふるいに掛ける。基本的に大卒以上しか取らない」と話す。

業界関係者の多くが、ニチイの介護モデルは中国市場の現状と大きな開きがあると指摘する。たとえば、中国の高齢人口は今や2億人を突破し、毎年860万人のペースで増加し、介護職員は少なくとも1200万人が不足する。こうした現象を生み出した主な原因は、中国の伝統的なものに見方にある。多くの人が介護職員を他人にかしずく仕事と考え、尊敬しない。社会的にも重視されているとはいえず、看護師と似た仕事内容ながら、社会的地位では看護師にはるかに及ばない。介護職員の給与の低さも人材不足の一因だ。

ある業界関係者は、「中国では介護はレベルの低い仕事をみなされることが多く、従事者の流動性が極めて高く、国家資格もない。こうした背景の下、大卒者を呼び込んで自腹で研修を受けさせ長期的に介護の仕事をさせるのは非常に難しい」と指摘する。

 

▽中国には合わない可能性

 

ニチイの人材活用モデルがまだ広く認められていないだけではなく、中国で展開する分単位での短時間の介護サービスモデルも中国人にはあまり受け入れられないとみられる。増田董事長は、「中国の『養老』サービスの基本は家庭滞在型だが、ニチイは主に短時間のサービスを提供する。90分が1単位で、費用は170元前後、高齢者のニーズに合わせて、入浴介助や床ずれのケアなどのサービスを提供する」と話す。

実際、ここ数年は外資が中国市場での布陣を相次いでスタートし、米国、フランス、日本などの介護事業者・機関は意欲満々で、中国介護市場でより大きなパイの分け前にあずかろうとしている。外資ブランドの多くは中国で介護施設を建設する道を選択しており、このような成熟した施設型介護モデルに比べ、ニチイが提供する介護サービスはまだ新しく、市場で成熟するには長い道のりを歩まなければならないといえる。

 

人民網日本語版より2016年6月7日

 

 

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