第8回中米戦略・経済対話と第7回中米人文交流ハイレベル協議が6日から7日にかけて北京で開かれている。中国が議長国を務めるG20サミットを控え、今回の中米対話は5つ特別な意義を持つ。
第1に、今回の対話は、中米の合意事項についての推進会議だ。両国首脳がこれまで合意した事項を実行に移し、意思疎通を強化する。互恵協力を促進し、「両国と世界の重大事にプラス」となるように協力強化の具体策について協議する。
第2に、今回の対話はG20杭州サミットを前にした両経済大国の政策協調会議だ。G20杭州サミットは、中米対話から3カ月も経たずに開幕する。最大の発展途上国、最大の先進国として、両国はサミット前に「意見調整」を行い、多国間協議への影響力拡大を目指す。
中国が議長国を務めるG20杭州サミットは、世界経済が直面する試練と問題に焦点をあて、問題解決を図るものだ。杭州サミットは4つの分野について議題が設定されている。具体的には、◇イノベーション主導型の成長モデル、◇より高度な世界経済金融秩序、◇力強い国際貿易と投資、◇包容と共同発展、――の4つだ。今回の中米戦略・経済対話は、◇マクロ経済情勢と政策、◇開放的貿易と投資、◇金融安定と監督管理協力の、3つの分科会が予定されている。
4つの分野と3つの分科会が高度に対応しているのは偶然ではない。両国と世界が直面する試練への的確なアプローチであるとともに、2つの経済大国の合意形成と協調による世界的な成果を目指すものだ。
第3に、今回は中米経済対話開始10年を記念する「十年会」だ。対話の重要な特徴は戦略性と全体性だ。両国の相互信頼強化、互恵協力、民間交流の促進に向け、重要な役割を果たす。これまでの対話の歩みをふり返り、次の10年を展望することは、中米関係の健全な安定的発展の原動力となる。
第4に、今回はオバマ大統領の任期内で最後の中米戦略・経済対話であり、これまでの集大成、かつ未来への一歩となる会議だ。対話では、両国の新型大国関係の構築、中米アジア太平洋地域間の相互作用などについて議論する予定。戦略安全対話の議題は、国の主権と安全保障、中米両軍の関係、海洋安全保障など。人文交流ハイレベル協議は、各分野での制度設計に関する協力、持続的なイノベーション型協力モデルの推進などについて話し合う。多くの議題は、成果が出るまでに数年かかる場合が多い。今回の対話協力の成功には、米国の次期政権の対中政策との連動が重要となる。
第5に、今回の対話は「緩衝材」としての役割を果たす会議だ。米国のラッセル国務次官補は、今回の対話は「圧力」と「衝撃」を吸収し、問題解決の助けになるとの見方を示した。率直な対話を通じて2国間関係での騒音や妨害など「負のエネルギー」を解消し、共通利益の拡大で「正のエネルギー」を注入する考えだ。カギとなるのは、相互の核心利益と重大な関心事を尊重したうえで、対話と協議を通じて積極的な合意形成を図ることだ。また、建設的な方法で敏感な問題をコントロールし、誤解や矛盾の拡大を回避することが重要となる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年6月7日
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