第8回中米戦略・経済対話の閉幕式と記者会見が7日、人民大会堂で行なわれた。中国側は習近平国家主席の特別代表である汪洋副総理、楊潔チ国務委員、米側はオバマ大統領の特別代表であるケリー国務長官、ルー財務長官が出席し、挨拶を述べた。
汪副総理によると、今回の経済対話で中米双方は両国経済および世界経済の重点的議題について率直で踏み込んだ意思疎通を行ない、60件余りの成果にいたった。経済対話の成果は両国が世界金融危機の深いレベルの影響を克服するうえで重要な役割を発揮し、中米関係の安定的発展を効果的に促進し、世界経済の回復に「プラスのエネルギー」を注いできた。
双方は、両国経済の持続的成長を維持するうえで構造改革が重要であることを認識。中国側は総需要を適度に拡大すると同時に、供給側構造改革の強化に力を入れる。米側は金融政策の正常化過程において、国際金融市場に対する波及的影響を十分に考慮し、政策の透明性と予測可能性を高めるべく心がけることを約束した。双方は、鉄鋼及びその他の産業の過剰生産能力が世界的な問題であり、世界経済の回復の遅れと需要の低迷の結果であり、合同で対処する必要があることを認識した。
双方は、二国間投資協定交渉を加速し、互恵・ウィンウィンで高水準の協定の早期妥結を目指すことで合意した。双方は、中米ハイテク・戦略貿易作業部会を通じて輸出規制問題について詳細な議論を継続することを重ねて表明した。双方は引き続き省・州間、都市間の貿易・投資協力を推し進め、インフラ整備、知的財産権の保護、農業、中小企業、クリーンエネルギーの研究開発とイノベーション、経済政策研究面の意思疎通と協力を一層強化する。双方は米国での人民元取引・決済協力を強化する。金融取引プラットフォーム間の持続的協力を歓迎し、両国の金融市場・商品のコネクティビティの強化に尽力するとともに、エコ金融協力の展開で合意する。両国の金融監督機関は情報共有と法執行協力の推進を望む。
楊国務委員によると、双方はアジア太平洋地域の問題について意思疎通を強化し、地域の多国間枠組での調整を深化し、アジア太平洋の平和・安定・繁栄促進に一層の役割を発揮することで合意した。双方は朝鮮半島の核問題、イランの核問題、イラク、シリア、アフガニスタンの問題について緊密な意思疎通と調整を継続する意向を表明した。
南中国海問題に関して、中国側は一貫した原則的立場を重ねて表明。「南中国海諸島は古来中国の領土であり、中国側には自らの領土主権と合法的で正当な海洋権益を守る権利がある。国連海洋法条約を含む国際法に基づいて、フィリピンの仲裁裁判を受け入れず、参加しないという中国側の立場は変わらず、変わることもない。米側が領土をめぐる争いで特定の立場を取らないとの約束を順守し、南中国海の平和・安定維持に建設的役割を発揮することを希望する」と強調した。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年6月8日
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