王学進さん(51歳)は自分の息子の連休の過ごし方を見るにつけ、「至れり尽くせり」のモバイルネットワークが自分の子どもをますます怠惰にさせているようだと心配していた。中国新聞網が伝えた。
ここ数年、出張ヘアカットや家政婦、料理のデリバリーなどインターネットによる「イエ充」経済が若者の間で人気だが、親たちは子供たちが体を動かさずに、物も知らず、想像力の欠けた「怠け者」になってしまうのではないかと心配している。
「出かけて渋滞に巻き込まれるより、家でゆっくりしていた方がいい」--。これは日ごろ仕事に忙しい1980年代生まれの劉薇さんが言うところの「休みは家で」という状態に他ならない。今回の連休では、彼女は携帯で料理のデリバリーを注文し、重慶名物の火鍋料理が彼女と友達で開いたパーティの時間ピッタリに到着。食事の後には出張ネイルアーティストがやってきて彼女たちにネイルを施し、パーティがお開きになったあとは、予約していた家政婦がやってきて家の中をきれいに片づけてくれた。
劉さんのような「イエ充」向けのサービスを利用する若者は少なくない。西北大学の1990年代生まれの董明さんは携帯電話という生活におけるアプリを得てからというもの、衣食住はただ指を動かすだけ、宿舎を一歩も出ずにあらゆることを「解決」できてしまうという。
「イエ充」経済は多くの「引きこもり」を生み出した。しかし1960年代生まれや70年代生まれの多くはこれに疑問を投げかけており、モバイルネットワークはこの二世代の「ジェネレーションギャップ」を大きくしている。
先述の王学進さんは取材に対し、SNSの隆盛は若者たちの耳と口を塞ぎ、モバイル予約サービスは彼らに手足を使うことを放棄させ、徹底的な「引きこもり」にしてしまうと指摘し、日常生活の中では多くのことを自分で解決することで初めて違った物の見方をできるのだとした。
現在多くの若者たちが努力することを嫌がり、インターネット時代がこの現象をより広めているとする指摘もある。鄭慧さん(48歳)は「身体の怠惰は怖くないが、怖いのは思想の退化だ」と断言する。彼女は子供たちがハイテクがもたらす便利な生活を送ることを理解できないというのではないが、若い人々の思考が鈍化し、知能指数が低下するのではないかと心配している。
一方で、西安煤炭研究院で働く80年代生まれの羅坤さんは、現在の若者たちは家や車のローンや養育のストレスから心身ともに疲弊している。そのため煩雑な家事から解放されるのは願ったり叶ったりだとした。若い世代にしてみれば、父母の年代が抱える心配は新しい事柄を受け入れられないショックからきており、ややとりこし苦労なのではないかという考えのようだ。
陝西省社会科学院の専門家である唐震さんは「イエ充」経済はモバイルネットワークの発展と共に広まっているが、これは「諸刃の剣」なので、あまり頼り切らない方がよいと指摘している。親たちは子供の成長を尊重し、平和的なコミュニケーションを行うことで、モバイルネットワーク時代においても、この二世代の人々は共に成長することができるとしている。(編集TG)
「人民網日本語版」2016年6月13日
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