世界経済フォーラムのニュー・チャンピオン年次総会2016(夏季ダボス会議)が26日に天津市で開幕した。メーンテーマは「第4次産業革命:モデル転換の力」。参加者の間では、中国経済が「新常態」(ニューノーマル)に突入してから、構造調整とモデル転換・バージョンアップの重要性が国内総生産(GDP)の増加率の数値を超越した。中国の科学技術・革新の発展情況、日に日に深まる対外開放の局面、的確なマクロ政策の方向性などから考えて、中国経済の未来には十分な信頼を寄せるだけの理由があるとの見方が一般的だ。「人民日報」海外版が伝えた。
▽成長の質に注目
今回のダボス会議では、ますます多くの国内外の経済界トップが中国経済のモデル転換・バージョンアップに注目し、特に新しい成長源に注目している。
国家科学技術成果転化誘導基金の馬蔚華理事長は会議で、「『科学技術研究費のGDPに対する割合』、『科学技術成果移転率』、『科学技術進歩のGDPに対する貢献度』などの主要指標をみると、現在の中国のGDPにおける科学技術のウェイトは先進国とではまだ一定の開きがある。そこで今はGDP増加率そのものにこだわるべきではなく、経済成長の技術のウェイトを高め、競争力を備えるにはどうしたらよいかということが重要だ。今の中国は科学技術の革新を通じてGDPの質を向上させる必要がある。とりわけ製造業でその必要がある」と述べた。
国務院発展研究センターの隆国強副センター長は、「これほどの大きな変革という重要な時期には、未来の動きをしっかりと把握できる人が、頭角を現すことになる」との見方を示した。
▽科学技術革新がカギ
今回の会議では、科学技術革新が中国のニューエコノミーを引っ張っていることにも注目が集まる。
分科会「科学技術の中国」では、参加した企業の代表や専門家の多くから、「科学技術研究成果移転率を引き上げるには全方位的な体制とメカニズムによる保障が必要で、政府だけで責任を果たせるようなものではなく、企業も市場や専門家と積極的に連携して、科学技術や革新の成果移転を推進する必要がある。また専門家自身もこれまでの考え方による束縛をうち破り、科学技術研究成果がニューエコノミーに対してもつ価値をより重視することが必要だ」との見方が出された。
資産管理会社の漢富持ち株の郭露総裁は、「今や新しい産業、新しいモデル、新しい企業が大量に出現すると同時に、一連の伝統産業もバージョンアップや改良を進めている。これらはすべて中国経済の未来の発展プロセスにおいて大きな期待が寄せられる新しい成長源であり、新しいエネルギーだ。ニューエコノミーの発展には大量の資金調達面での支援が必要なだけでなく、新産業と新企業の特徴として、金融サービスのシステム、モデル、ツールなどの側面で革新を進めることも求められている」と指摘した。
▽中国の潜在力を評価
モデル転換の時期の経済下ぶれ圧力は国内外の経済界のリーダーの中国に対する信頼感に影響を与えるだろうか。これまで国際社会に出ていた「中国経済は坂道を下りている」といった見方に対し、オランダのロイヤDSM社のフェイケ・シーベスマ会長は、「中国経済には優れた基礎、巨大で発展を続ける市場、資本に力強い支援を提供する質の高いインフラがあり、中国経済は最終的にモデル転換を成功させると確信する」と述べた。
国家発展改革委員会の徐紹史委員長は26日の会議で、「新常態の下での中国経済には、『増加ペースの変化』、『構造の最適化』、『エネルギーの転化』という新たな特徴がみられる」と指摘した。
また徐委員長は、「中国には豊かな物的基礎があり、整った産業システムがあり、充実したインフラがある。中国には13億人の市場があり、9億人の労働力があり、7千万の市場主体があり、人的資源の総量は7100万を超える。これらは中国の潜在力であり、中国の可能性であり、中国の強靱さだ。よって人々は中国経済に一定の信頼を寄せているといえる」と強調した。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年6月28日
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