中国指導者の外交戦略思想と中日関係に関する学術シンポジウムがこのほど北京で開催された。同済大学国際・公共問題研究院の夏立平院長は「中米日はアジア太平洋地域で良好な均衡・相互作用の関係を実現する必要があり、三国間の戦略対話を強化すべきだ」と指摘した。人民網が伝えた。
習近平国家主席は「新型の大国関係の構築には共通利益という主軸を終始把握し、大国間の調和的共存、良好な競争、協力・ウィンウィンという新たな道を連携して歩み出さなければならない」と指摘した。
夏氏は「新型の大国関係の構築は協力・ウィンウィンを核心とする新型の国際関係構築の重要な構成部分であり、習主席が世界の大勢を総覧して打ち出した重要な外交理念の1つであり、習主席の外交戦略思想の重要な内容でもある」との考えを示した。
「新型の国際関係の構築においては、主要な大国の間、特に新興大国と守成大国との間の新型の関係が最も鍵を握り、中国外交において優先的な重要な位置を占めている」。夏氏は「新たな歴史的条件下、世界共生システム理論を新型の大国関係構築の理論的根拠とし、習主席の新型の大国関係の構築という外交戦略思想を指導とし、『非衝突、非対立、相互尊重、協力・ウィンウィン』の中米の新型の大国関係を構築するべきだ」と述べた。
習主席の提唱した米国との「新型の大国関係」の構築という思想における「非衝突、非対立、相互尊重、協力・ウィンウィン」という理念は中日関係にも同様に適用される。夏氏は「中日は経済発展を相互依存しており、省エネなど環境分野で、日本は先進的な環境保護技術と経験を中国と分かち合い、太陽エネルギーや風力など再生エネルギーの開発を新たな成長の中核にすべきだ。域内経済の持続的発展を実現するため、中日は資源、エネルギー市場のルール策定に積極的に関与すべきだ」と指摘した。
「中日は戦略上、ある種の相互抑止状態にもある。だが、新型の大国関係を考える際に、なぜ中日関係を必ず考慮しなければならないのか?」。夏氏は「日本は米国の最も重要な同盟国な1つだ。中国が米国と新型の大国関係を構築するには、対日関係をうまく処理しなければならない。さもなくば、米国の最も重要な同盟国が反対し、撹乱し、さらには中米両国を泥沼に引きずり込んだ場合、中米の新型の大国関係の構築は不可能だからだ」と述べた。「日本自身も守成大国だ。したがって、中国は中米の新型の大国関係の構築において、日本という変数を非常に重視する必要がある」。
夏氏は「中米日はアジア太平洋地域で良好な均衡・相互作用の関係を実現する必要がある。多くの分野で懸案が存在するなか、こうした関係を実現するには、中米日3カ国間の戦略対話を強化する必要があるからだ。日本が中米を泥沼に引きずり込むのを防ぐと同時に、日本の建設的・積極的役割を発揮する必要がある。したがって、中国は中米の新型の大国関係を構築し、日本との新型の大国関係をうまく処理する過程において、戦略的不動性を強化し、戦略的力を発展させ、戦略的知恵を発揮すると同時に、戦略能力を高めるべきだ。ソフトパワーとハードパワーを結合し、ハードパワーを後ろ盾に、主にソフトパワーによって交渉を通じて溝を解決する必要がある」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年7月20日
|