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専門家「日本は対中認識に『両義性』、戦略的矛盾状態に

 

中国指導者の外交戦略思想と中日関係に関する学術シンポジウムが16日に北京で開催された。人民網が伝えた。

復旦大学日本研究センターの高蘭教授は「中国と日本は共にすでに大国の時代に入った。歴史認識、領土紛争など従来からの重大な溝以外にも、中日関係の直面する課題や難題は静かに発生、変化している」と述べ、次のように指摘した。

第1に、中日は相手国に対する重視の程度が下がっており、相互敬意と相互尊重を欠いている。近年、安倍政権は「中国包囲」政策を取っている。とりわけ2016年3月に施行された新安保法は、中国包囲・封鎖の意図を日増しに明らかにしており、中国側に強い警戒を引き起こしている。他方、日本は中国が構築している新型の大国関係の枠組に日本やインドが含まれないことに注意を払い、中国の外交構想の中で日本の存在が埋没し、中日関係の質的低下につながることを懸念している。

第2に、日本の対中認識に偏りが生じている。王毅外交部長(外相)は中日関係に関する記者の質問に、中日関係にとって問題の原因は日本の為政者の対中認識の問題にあると指摘した。中国の発展を前に、日本は一体中国を友人と見なすのか敵と見なすのか?パートナーと見なすのかライバルと見なすのか?

中日間の現在の多くの問題はこれと関係があると考えられる。例えば地域の平和・繁栄を維持する条件に関して、中日間の認識には違いがある。日本は日米安保体制を柱とする日米同盟関係が戦後日本の平和的発展を確保し、中国を含む地域各国が戦後平和と繁栄を共に享受することにもなったと考えている。一方で、日本国民は中国の軍事的近代化及び海洋活動が東アジア地域の将来の平和と繁栄に構造的試練をもたらすと考えている。中国は、中国の軍事的近代化及び海洋事業の発展は自国の平和的発展に適した必要不可欠な国際環境を築くための重大な措置だと対外的に公言している。

総体的に見て、2014年11月APEC会議及び2015年4月のアジア・アフリカ首脳会議で安倍晋三首相が2回続けて習近平国家主席との会談を実現して以来、4つの原則的共通認識に基づき、中日関係は徐々に改善へと向かっている。だが現時点において、中日関係の構造的矛盾は根本的解決を得ておらず、中日間の戦略的矛盾も顕在化し続けている。

もう1つの面は、経済分野にある。安倍首相は中国市場を一層十分に利用してアベノミクスを推し進められるように、中国とハイレベルの会談を行ない、日中両国の経済協力を一層強化する必要性を強調している。だが日本は自らが中国経済圏の片隅に追いやられ、東アジア経済における主導権を失うことを非常に懸念している。このため、アジアインフラ投資銀行(AIIB)を前に、日本はアジアのインフラ整備に1100億ドル規模の投資を行なうと発表し、中日韓自由貿易圏の構築を図ると同時に、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を先に成立させることを望んでいる。日本はAIIB加入の経済的利益と政治的リスクも慎重に研究した。英国のように米国の反対を顧みず率先してAIIBに加入することは望んでいないし、対米協調から脱して自らAIIBに加入して米日間の分裂を招くことは難しくもある。

中日間の構造的矛盾と戦略的矛盾の影響は今まさに生じている。日本の対中認識の「両義性」という特徴のため、日本は現在戦略的矛盾状態にある。すなわち、安全保障分野で中国と対話と競争を行なうと同時に、経済レベルでも中国に対して防備と協力を行なっていることによる、競争と依存の併存する複合型矛盾関係だ。

2017年は中日国交正常化45周年、2018年は中日平和友好条約締結40周年だ。習近平主席の「運命共同体」思想の精髄に従い、今後の中日関係の推進においては以下を検討できる。第1に、中日の利益の合流点の拡大を図る。第2に、中日両国の「運命共同体」意識を強化する。今後は両国間の観光、文化交流などの活動を一層強化し、中日両国のアジア意識、文化的一体化意識を強化して、最終的に「運命共同体」意識を実現すべきだ。第3に、共通の安全保障意識を追求し、アジア安保体制の構築に積極的に参加する。(編集NA)

 

「人民網日本語版」2016年7月21日

 

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