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日本は「大和」の姿に戻ってこそ国家と国民の安泰を実現できる

新世界出版社は6日、日本の史学研究者で女性作家の松岡環氏を招き、『南京引き裂かれた記憶』の中国語版著作権の契約締結式を行った。中国外文局の陸彩栄・副局長が締結式に出席し、式辞を述べた。陸副局長はこの中で、松岡環氏の業績と同書に対する感想を述べ、日本の現在の政治動向について次のような見解を示した。

近代以前の日本、正確に言えば明治維新以前の日本は、アジアの国という自らのあり方を受け入れていた。日本人は虚心に中国に学んだ。とりわけ唐代には、日本は中国に遣唐使を派遣するなどして、中華文明の栄養を積極的に吸収し、日本を建設し、発展させた。(文:陸彩栄・中国外文局副局長)

明治維新以降の帝国主義の時代に入って、日本は脱亜入欧政策を掲げるようになった。日本はこの時から初心を忘れ、方向を見失った。日本がどこに向かうべきかをめぐって、日本ではその頃、まったく異なる二つの政策の主張が現れた。一つは「小日本主義」とでも言えるもので、日本は自らの発展に没頭し、友好的で善良な国家を主張すべきとするもの。もう一つは「大日本主義」であり、対外拡張と領土開拓を主張し、「万里の波涛を開拓」することを求めるものであった。

残念なことに、小日本主義の声は小さすぎ、大日本主義は2回の世界大戦を通じて、軍国主義をまたたく間に膨脹させ、日本は、攻撃型の道を歩むこととなった。大日本主義は、明治維新後の日本の社会発展の成果を急速に失わせた。とりわけ第2次大戦中の日本は、軍国主義の統治の下、狂気と言える状況さえ呈した。南京大虐殺に示されるように、日本の軍国主義は中国人民に対し、許しがたい巨大な罪を犯した。日本の右翼に幅舘卓哉という老人がいるが、1924年に中国に生まれたこの人物は、日本人が中国人を殺す姿を見て、つらい気持ちを味わったという。幅舘氏はしばらく前、中国人学者との座談会で、「日本人は中国であまりにも多くの悪事をはたらいた。これを償うには二百代必要だ」との言葉をもらした。

日本の政治家で石橋湛山という人物がいる。戦後日本の第55代首相を務めたこの人物こそ、「小日本主義」の積極的な提唱者であり、実践者であった。戦後の日本は、小日本主義を通じて、富国強兵や科学技術の進歩、経済の急成長を実現した。

歴史のロジックに照らせば、日本は、平和の道の上で発展を続け、日本の人民と世界の人民の幸福を作り出していくべきである。だが日本の一部の野心に燃えた政治家は、自らの力量をはかることなく、拡張の悪夢を見始めている。

日本の歴史が証明しているのは、日本が拡張の意図を強め、大日本主義政策を掲げれば、日本民族には大きな災難がもたらされるということである。日本が自制し、小日本主義の道を歩み、海外の進んだ技術や経験を虚心に学び、国家建設に専念すれば、日本は健全に成長し、人々も平和と幸福を享受できる。中国の唐代において、日本は中国の制度と文化を虚心に学んだ。明治維新においては、欧米の科学技術と文明をやはり虚心に学んだ。日本はそのどちらの時期においても、社会面での歴史的な成果を上げることとなった。

人類社会はもともと、それぞれが各々の美を求め、あらゆる美がともに、天下の大同、調和と共生を求めるべきものである。このような平和と調和を破壊して得られるのは災難である。この災難は、他国の人民にも本国の人民にも限りない苦しみをもたらす。

我々が目前にしているのは残念ながら、今日の日本が、安倍首相を筆頭とする政権の推進下、戦後の国際秩序と日本の平和憲法の制限を顧みず、拡張型の憲法修正を推進し、米国の汚い政治家と結託し、「島の購入」によって釣魚島問題をけしかけ、南中国海の局面をかき乱している姿である。

歴史は既視感を呼び起こす。現在の状況が連想させるのは、甲午戦争後、日本軍国主義が台湾などの中国の領土を違法に侵略した状況である。日本は第2次大戦後、これをおとなしく中国に返し、過去を清算した。しかし米国の汚い政治家の妨害によって、この歴史的な清算は、不徹底な清算に終わった。中国の釣魚島はすぐには中国には返還されず、米国の悪意によって違法に日本の手にわたり、釣魚島は、米国が東方に埋めた戦略理数となり、大きな災いが残されることとなった。日本は現在、米国の勢力を再び借りて、中国の領土主権に挑戦しようとしている。だがその結果は、ざるで水を汲むようなものにしかなり得ない。

歴史の長い流れから見れば、中国と日本のメインストリームは友好である。近代の中日両国において非友好的な局面が現れたのは、日本の軍国主義と拡張主義によるものであった。日本にとっては、軍国主義と拡張主義は死に至る道である。大和民族は、「大和」の本来の姿に立ち返り、平和主義を掲げてこそ、国家と国民の安泰を実現し、花の咲く暖かい春を迎えることができる。

最後に、中日友好という大きな流れにより多くの有識者が加わり、軍国主義に反対し、拡張主義に反対し、世界平和を守ることを希望する。それこそが、まもなく出版される松岡環氏の中国語版『南京:引き裂かれた記憶』が我々にもたらす重要な教えでもある。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年8月8日

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