日本の安倍晋三首相が就任して4年がたつが、本人も「改憲は私の宿願だ」と認めている。
毎年増加を続ける防衛予算、集団的自衛権の行使を認める新安保法の可決など、安倍政権は「右傾化」の道を歩み続けている。安倍政権は先ほど、新たな経済刺激策の発表、新しい防衛白書の了承、内閣改造という改憲の「3本の矢」を放った。
・1本目の矢 新たな経済刺激策、狙いは別にあり
総額28兆1000億円規模の新たな経済刺激策が、2日に正式に発表された。
依然として振るわない日本経済を受け、安倍政権は景気刺激により国民をなだめることで、改憲の国民投票で支持を集めようとした。
・2本目の矢 盗人が他人を盗人呼ばわりする防衛白書
安倍政権が放った2本目の矢は、2日に了承された2016年版防衛白書だ。
安倍政権は白書の中でいわゆる「中国の脅威」を大げさに騒ぎたて、集団的自衛権の行使を容認する新安保法の弁解を行った。
・3本目の矢 経済を建前とする内閣改造
3本目の矢は、3日の内閣改造だ。麻生太郎副総理兼財相、菅義偉内閣官房長官、岸田文雄外相という「鉄のトライアングル」は留任となった。安倍首相は軍国主義的傾向を持つ右翼の女政治家、稲田朋美氏を防衛大臣に抜擢した。
安倍首相は、新内閣は経済回復を主要目標とすると称しているが、その裏には改憲の野心が隠されている。
【安倍氏の弓術は正確か?】
新たな経済刺激策を例とすると、安倍首相はインフラ投資と公共サービスの改善を目的とした。しかし現状を見ると、資金源が依然として問題だ。
28兆1000億円の経済刺激策のうち、政府と地方自治体の財政による直接支出が約7兆5000億円となっている。しかし日本の昨年度の財政黒字は2544億円のみで、翌年に繰り越せる1兆8000億円の国債利回りを加えても、7兆5000億円には程遠い。
残りの約20兆6000億円は財政投融資と民間資本から得られる。しかし多くの日本メディアはこの2つの資金源の信頼性を疑問視している。
アベノミクスは日本経済の低迷を変えようとする誠意ある策ではなく、安倍首相が政治目的を実現するための「糖衣錠」にすぎない。ほぼ失敗となったアベノミクスと同じく、新しい経済刺激策が日本経済に質的変化をもたらすことはなく、国民生活を盛り上げる効果は生み難いと分析されている。そのため安倍首相がこのように矢を放てば、日本人の政府への信頼を傷つけることになるだろう。
その他の2本の矢を見ると、「中国の脅威」の誇張にせよ内閣改造にせよ、安倍首相は平和憲法の改正の地ならしをしている。しかし安倍政権のこの1年を振り返ると、改憲の問題で民意を直視しようとしていないことが分かる。参院選前、安倍首相は改憲問題を重点とせず、経済・国民生活のカードを切った。安倍首相本人も、自民党は今回の選挙で改憲を呼びかけておらず、参院選の勝利は有権者の改憲支持を意味するわけではないと認めた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年8月8日
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