2008年の世界金融危機以来、世界の経済成長は目に見えてペースダウンした。中国の習近平国家主席は2015年11月のAPEC首脳会議の演説で、「中国の処方箋」を提起した。「世界経済の深刻な問題を解決するには、単なる金融刺激措置に依存した政策では不十分だ。経済の構造改革推進に力を入れ、供給体系を需給構造の変化に適応させることが必要だ」と指摘した。
国際社会はG20杭州サミットに大きな期待を寄せている。杭州サミットを機に、各メンバー国が構造改革を確実に進め、世界の経済成長に向けた新たな原動力を掘り起し、世界経済の回復を促すことを期待している。
■刺激策の効果は減退、構造改革深化へのコンセンサス形成が進む
「構造改革は多くの国が景気浮揚を可能にする唯一の政策的選択だ」。アジア開発銀行の樸東衒チーフエコノミストは、「多くの国々の金利はすでに非常に低い水準にあり、政府債務は高止まりしている。このため、労働力市場の活性化や国有企業改革などの構造改革が苦境脱出への唯一の選択肢となる」と指摘する。
構造改革の深化は世界経済の中長期的な試練に有効に対応する根本的な手段であり、各種の歪みの是正や資源配分の改善が重要となる。これは各国の構造調整だけでなく、欧米諸国が長く独占してきた世界銀行と国際通貨基金(IMF)の枠組みを打破するような、国際金融機関の調整にもかかわる。「先進国と新興国が世界経済ガバナンスに平等に参画できる重要な仕組みとして、G20は世界経済が直面する問題の解決に向け、答えを出さなければならない。その答えが構造改革の深化なのだ」と、アルゼンチン戦略計画研究所のカストロ所長は指摘した。
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