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ワシントンの選挙政治を超えて中米関係を見る

 

最近、米大統領選は二人による対決の段階に入った。共和党はトランプ氏、民主党はクリントン氏が候補者となっている。選挙演説での両候補者は中国への言及が少なくない。例えば先週両候補者は経済政策関連の演説で、期せずして中国との貿易紛争で強硬な立場を取ることを表明した。(人民日報「鐘声」国際論評)

こうした非常に「火薬の臭いに満ちて」発言を一体どう受けとめるべきか。前例はこの問題に対する有益な啓示となる。米大統領が対中政策において「就任前の発言」と「就任後の行動」が異なるのは珍しくない。カーター元大統領は選挙戦時に中国の人権状況を厳しく批判したが、在任中に中国との関係正常化を実現した。退任後は繰り返し訪中し、中米友好交流に貢献し続けている。クリントン元大統領は選挙戦時に中国に対して「過度に寛容」とブッシュ元大統領を批判し、人権、台湾、最恵国待遇、知的財産権の保護などでしきりに中国を非難した。だが実際には、クリントン氏の在任中の8年間に中米関係は長足の発展を遂げた。

同様のコントラストは繰り返し生じている。根本的原因は中米関係の発展には内在的、客観的原動力があり、誰が米大統領になってもシフトするものではないからだ。中米関係の戦略的意義は、新型の大国関係の構築という大きな方向性の堅持を双方に要求している。世界最大の発展途上国と世界最大の先進国である中米両国は、世界の平和と発展に対して重要な責任を担っている。誰が米国の新大統領に当選しようとも、中国側と共に、非衝突・非対立、相互尊重、協力・ウィンウィンの原則に基づいて中米関係を発展させることこそが、平和、発展、協力、ウィンウィンという時代の潮流に沿った行動であり、両国や各国の人々を安心させることができる。

中米の利益の深い融合という現実は、相互関係を最も重要な二国間関係の1つとして堅持することを双方に要求している。昨年、中国は米国にとって最大の貿易パートナーとなり、貿易額は5600億ドルに近づいた。中米の相互投資は1500億ドルを超え、中米間には協力すれば共に利し、争えば共に傷つくという利益の構造がすでに築かれている。誰が米国の新大統領に当選するのであれ、貿易戦争を戦うのではなく、平等・互恵を基礎に中国との協力を拡大することが賢明な選択だ。

中米協力の世界的影響は、焦点となる問題やグローバルな問題での意志疎通や協力の強化の堅持を双方に要求している。近年、中米は相次いで3件の気候変動対策共同声明を発表し、COP21の成功に重要な貢献を果たした。中国はイラン核問題の全面的合意を成功に導き、オバマ大統領など米国の政界要人は繰り返し中国に謝意を表した。これらは、絶えず生じる焦点となる問題、グローバルな問題において、中米が協力すれば重大な事を成し遂げられることを十分に示している。

中米両国にはそれぞれ特徴があり、歴史文化、発展水準、社会水準の全てが同じではなく、双方にいくつかの溝があるのは正常なことだ。米国の新大統領にとっては、一部の溝を拡大し、深めて調和できないものにして何もしないのは簡単かつ無責任な選択だ。その指導力と戦略的観点を真に体現するのは、実務的かつ建設的態度で中国と共に溝を管理・コントロールし、中米関係の持続的で安定した発展が中米両国及び各国の人々に幸福をもたらすようにすることであるはずだ。(編集NA)

 

「人民網日本語版」2016年8月19日

 

 

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