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中露の戦略相互信頼を示す海上軍事演習

 

中露合同軍事演習「海上連合―2016」に参加するロシア海軍艦艇が12日、湛江に到着した。これによって8日間の演習が始まった。今回の合同軍事演習の課題は「海上合同防衛行動」だ。(文:張軍社・海軍軍事学術研究所研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

演習海空域については、今年の演習が南中国海で実施されるのは全く正常なことだ。「海上連合」系列演習は中露が持ち回りで運営する。2012年の初演習は中国・青島近くの黄海海空域で、2014年は中国・長江河口以東の東中国海海空域で実施された。中国沿海で実施された2回の「海上連合」系列演習にはそれぞれ北海艦隊、東海艦隊の兵力が中心となって参加した。再び中国側が開催する今年は、南海艦隊兵力が中心となって参加する。このため演習海空域も南海艦隊管轄区域へと移った。

演習目的については、「海上連合」系列演習はいかなる特定の国または目標も仮想敵としていない。中露両国は共にアジア太平洋地域の大国であり、地域の安全・安定維持と発展において共通の利益と願いを有し、重要な責任を負ってもいる。2012年の初演習のテーマ「海上合同防御、海上輸送ライン防衛作戦」であれ、その後の各演習のテーマ「遠洋海上輸送の安全維持」「海上輸送ライン合同防衛と合同上陸行動」「海上合同防衛行動」であれ、演習内容が第三国を念頭に置いたことはない。これは某国が年中西太平洋地域で実施している他国を仮想敵とする島上陸、奪還などの実戦演習とは全く異なる。

演習内容については、今回両国海軍は防空、対潜、海空探知・殲滅など従来からの戦闘訓練を継続するほか、初めて立体島礁奪還・支配訓練も行ない、航空機や揚陸艦による上陸、合同火力攻撃を含む上陸作戦における組織・指揮、作戦手順、基本戦術に重点を置く。防空、対潜、対艦、上陸訓練は、戦略面の相互信頼の水準が高い海軍の間でのみ行えるものであり、双方の軍艦と航空機の様々なレーダー、ソナー、通信など電子設備の使用、双方の武器・装備の戦術特徴、技術性能、データなどを相手側に開示する必要がある。これは中露両軍の高度な戦略相互信頼水準をはっきりと示すものだ。

また、今回の演習はより実務的で、より実戦に即したものとなる。水上艦隊は対潜、防空、有視界外攻撃・防御などの訓練を実施。潜水艦と水上艦の自主対抗を実現し、演習の実戦性を著しく高める。初めて仮想敵・味方に分れて艦隊を編成。「赤」側兵力は中露海軍艦艇の混合編成、「青」側兵力は中国側艦艇だ。赤青双方は「背中合わせ」の形式で対抗訓練を繰り広げるため、訓練は難度を増す。双方は合同監督部、合同指揮部、海上合同集群指揮所の3レベルの指揮体系を設ける。いずれも混合チームであり、合同性、融合性が徐々に高まる。

「海上連合」系列演習は、すでに中露両国の枠組で最大規模の海上演習となっており、両国海軍にとって重要な常態化、制度化された協力形式でもあり、海上の安全保障上の脅威に共同で対処し、世界の海洋の安全を連携して維持するとの中露両国の願いと決意を十分に示している。(編集NA)

 

「人民網日本語版」2016年9月13日

 

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