しばらく前に行われたG20杭州サミットでは、構造改革の役割がこれまでない高みへと引き上げられ、構造改革の重要性がサミットの首脳宣言に盛り込まれただけでなく、構造改革の実施促進の面でも巨大な進展が実現された。構造改革に対する注目と議論は、「第12回北京-東京フォーラム」のサブフォーラムの討論でも継続された。27日には、国家発展改革委員会と日本財務省、中日両国の中央銀行、企業界のゲストが、「構造改革の新局面と中日協力」をめぐって効果的な討論を展開した。参加した日本経済界の有識者は、構造改革推進の面で中国が上げた進展を高く評価した。
日本銀行の中曾宏・副総裁は、中国が中所得国の罠に陥らないためには構造改革の必要があり、中国はすでに問題を認識して積極的に行動していると発言した。また東京大学公共政策大学院特任教授の河合正弘氏は、今年1月から7月までのデータからは、中国経済が現在、投資主導から消費主導への転換期にあり、需要サイドでは、サービス業の成長がすでに製造業の成長を越え、再均衡化が順調に進んでいることがわかると語った。
日本野村総研中国研究センターの松野豊理事は中国網記者に対し、「中国経済の構造調整は順調で、際立った成果を上げている。産業構造のアップグレードも進んでおり、輸出主導型経済は消費内需型経済へと移行している。この過程は完ぺきとは言えず、いくつかの問題も存在するが、しっかりと着実に推進している」と語った。
「中国は現在、新たな工業革命の最中にあり、多くの新たな市場チャンスを迎えている」。三井物産株式会社顧問の槍田松瑩氏は、両国社会が今後、経済発展のさらなる進歩を得ようとするならば、日中両国間の協力が不可欠となり、そのためには、双方による「意見の交換の強化」が必要となると指摘した。日本の元財務官の山崎達雄氏は、医療問題や環境問題、エネルギー問題など中日両国がともに直面する構造改革の難題から入手し、各種の制度をさらに改善していくべきだと指摘した。
中日両国の経済貿易協力の現状は複雑であり、喜ぶべき要素がある一方、不安要素もある。日本の経済界は9月下旬、200人を超える訪中団を派遣し、中国市場に対する重視を示した。だがこれと同時に、データからは、2015年の中日貿易額が前年より11.8%減少し、日本の対中投資下落の傾向が続いていることもわかる。サブフォーラムでは、外交学院副院長の江瑞平氏がこれに対し、「中日両国の経済貿易関係は弱まり続けており、相互依存度も低下している」と懸念を示し、「経済貿易関係の弱化と政治関係の悪化」という傾向も現れていると指摘した。
江氏はこれについて、日本側に次の4点を提案している。第一に、「政治的意図」と「経済利益」との関係を適切に処理しなければならない。日本の一部の政治家は、自己の利益のために両国大衆の幸福に影響を与えるべきではない。第二に、政府の指導と企業の参加との関係を適切に処理しなければならない。できる限り両国企業の角度から促進政策を取り、分野の制限と協力の拡大との関係を解決する必要がある。第三に、両国関係と地域協力との関係を適切に処理しなければならない。アジアにおける第一と第二の経済体である両国は、地域の安定・繁栄と地域協力を推進する重任を負っている。第四に、域内の要素と域外の要素との関係を適切に処理し、域外の要素の介入を避けなければならない。
「中日関係は現在、新たなチャンスを迎えている」。国家発展改革委員会学術委員会秘書長の張燕生氏は、中国が構造調整と供給サイド改革を打ち出し、庶民がますます高品質の産品を追求していることは、中日企業界の協力にチャンスを作り出していると発言した。
大和総研調査本部長の岡野進氏は中国網記者の取材に対し、中日両国の企業が第三者市場での協力で連携していることは喜ぶべきことだと語った。そのためには両国政府がより多くのプラットフォームを構築し、両国企業の情報交流を促進し、協力のチャンスを探す必要がある。日本企業の技術と中国企業の運営経験を結びつけ、第三者市場を共同開拓していくためには、現代の情報社会にあってはとりわけ、インターネット技術の利用が目覚ましい効果をもたらすと考えられる。
政治協商会議全国委員会常務委員で中国石油化工集団元董事長の傅成玉氏は、世界各国がグローバル化の過程で遭遇している問題のカギは、グローバル化によってもたらされる恩恵が各国の各階層によって平等に共有されていないことにあると発言し、「各国は、G20杭州サミットで提出された『包摂的な成長の実現』というビジョンに照らし、主要政策を制定する必要がある」と指摘した。
中国経済体制改革研究会副会長で中国(深セン)総合開発研究院院長の樊綱氏は、グローバル化の主要な成長の原動力は東アジアにあり、アジア全体が世界の成長の原動力となっていると発言し、さらなる取り組みと共同の努力によって成長分野におけるチャンスを探り、双方の利益と多方の利益を拡大し、より緊密な経済・貿易関係のための協力体制を構築すべきだと指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年10月9日
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