9月3日午後に杭州で行われた「G20ビジネスサミット」(B20)開幕式には、中国の習近平国家主席も出席し、基調講演を行った。32カ国・国際組織から集まった商工業界の代表1000人超が参加し、基調講演に耳を傾け、「世界経済の成長方式の革新」や「より効率的な世界経済金融ガバナンスの推進」などの議題をめぐって議論を繰り広げた。2016年B20の主席を務める中国国際貿易促進委員会の姜増偉会長が、商工業界を代表し、習近平主席に「2016年B20政策提案報告」を渡した。
周知の通り、世界経済の成長は鈍化し、反グローバル化や反自由貿易主義が台頭し、国民投票で決まった英国のEU離脱が不確定性を激化させている。世界経済に差すこれらの暗い影は、現在の世界経済が遭遇している挑戦を体現しているようである。成長は力が乏しく、信頼感は低迷し、見通しは楽観を許さない。
こうした背景の下、習近平主席がB20サミットで発表した基調講演は、改革推進を着実に進め、引き続き上昇していこうという中国経済の固い決意を世界にはっきりと伝え、世界経済の苦境の打破のために「東方の知恵、中国のプラン」を差し出すものとなった。
信頼は黄金よりも貴い
フランス企業Citizen Entrepreneurs社のJean-Louis Gregoire社長は中国網記者の取材に対し、「習近平主席の講演に深い印象を受けた」と語る。第一に、講演で示された固い決意が印象的だった。習主席は、積極的な態度で、国際社会に力強い自信を伝えた。第二に、講演を通じて、中国が独断専行や自国だけの利益を求めているのではなく、世界の各国との協力に対する意欲と誠意を開放的な姿勢で伝えていることがはっきりと感じられた。
サウジ基礎産業公社のYousef AI-Benyan副社長は記者に対し、習近平主席の講演は世界経済に「まったくあらたな希望」をもたらし、今回のG20の主催国としての中国の指導力を示したと語った。
米国の金融企業First Guardian Capital社の業務責任者を務めるCraig Mackieson氏は記者に対し、習近平主席は多くの分野で世界経済に未来発展の青写真を描いてみせたと語った。貿易障壁の打破や経済発展の持続可能性のさらなる実現は、外国企業に積極的で有効的なシグナルを送った。
アジア商工会議所連合会のJemal Inaishvili会長は中国網記者の取材に対し、「中国は依然として、世界で経済成長が最も速い経済体の一つだ」と語った。中国経済は現在、「積極的な変化が発生」しており、これは世界経済に大きな影響を与えるものとなる。
サウジ基礎産業公社のYousef AI-Benyan副社長は中国網記者の取材に対し、「中国は揺るぎない信号を送っており、自身も真剣かつ全面的に改革を推進している」とかたった。基調講演では繰り返し、革新を手段として供給サイドの改革を推進し、中国経済のモデル転換とアップグレードを実現することが主張された。Yousef AI-Benyan氏は、「世界経済に強心剤を打った」とこれを評価する。
ロシアを代表してやって来たAndre Bugrov氏は、中国によるG20推進と革新の重視は、世界経済の力強く持続的な成長の実現に大きく貢献するものとなる。この判断は誇張したものではなく、データによると、世界経済の成長に対する中国経済の成長の貢献率はここ数年、30%以上を保持している。
包摂的成長と連動式発展の実現
「包摂的で連動式の世界発展のガバナンスの局面を構築し、国連『持続可能な開発のための2030アジェンダ』の実現を目標に、全人類の幸福をともに増進させよう!」。習近平主席は基調講演で、人を鼓舞するような一連の発言を行い、参加したゲストらの強い共感を得た。
「世界経済は過去10年、多くの人にとって不利なもので、一部の国家の中間層はすでに停滞を余儀なくされている」。カナダのジャスティン・トルドー首相は、この状況を改善し、若者により多くの機会を創造するため、カナダが、中国の阿里巴巴(アリババ)と合意を締結したことを明らかにしている。中小企業にビジネスチャンスを提供し、経済発展を底から推進し、新たな就業ポストを創造するねらいだ。
アルゼンチンのマウリシオ・マクリ大統領も、今回B20会議に参加したことはとても意義あることだったとし、世界の発展の趨勢はこれからも融合にあり、融合を通じて貧困問題を解決し、未来に多くの希望をもたらすことができると信じていると語った。
フランスのCitizen Entrepreneurs社のJean-Louis Gregoire社長は中国網記者に対し、「習近平主席が基調講演で革新の重要性を繰り返し強調するのを聞けて嬉しい」とし、人々を奮い立たせ、大きな鼓舞を与えるものだと語った。「若い世代の未来の発展にとって革新は非常に重要なものだ。我々はとりわけ、革新を通じて若い世代により多くの就業の機会を作り出すことを求められている」
金融・貿易投資・グリーン発展のガバナンス構築
習近平主席は講話で、目下の形勢における世界経済のガバナンスの要点を指摘した際、金融・貿易投資・グリーン発展のガバナンスの局面を構築しなければならないと指摘した。当日のシンポジウムでは、国際通貨基金のラガルド総裁がこれを評価し、「習近平主席は金融監督管理の改善について触れた」が、非常に重要な改革分野であり、G20とB20は金融の監督管理の改革の方向を共同で探っていく必要があると語った。
世界貿易機関のロベルト・アゼベド事務局長は、「反自由貿易の傾向が拡大しているが、我々にとっては好ましくない状況だ」とし、B20のプラットフォームを借りて一連の措置を取り、保護保護の傾向の台頭とさらなる発展を抑制することに希望を示した。アゼベド事務局長は、B20は一貫して、貿易便利化の協定の促進を提唱しており、すでに85%の業務は完了していると語った。
世界銀行のジム・ヨン・キム総裁は、基調講演における「緑色で低炭素の世界のエネルギーガバナンスの局面をともに構築し、グリーン発展での協力をともに推進する」という提議に高い関心を示した。スタンダードチャータード銀行のビル・ウィンターズCEOは、「習近平主席は講演でグリーン経済に触れた」が、推算によると、このグリーン経済の分野では、世界の金融の資本不足は5000億ドルに達していると指摘した。
サウジ基礎産業公社のYousef AI-Benyan副社長は中国網記者に対し、「習近平主席が講演で『環境保護は生産力の保護だ』『環境改善は生産力の発展だ』と強調するのを聞くことができて嬉しい。これは世界のその他の国々、とりわけ発展途上国に模範を示すこととなる」と語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年10月11日
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