現在位置: ニュース>政治
世界に解決策を示すBRICS協力制度

 

第8回BRICS首脳会議が15、16両日にインド・ゴアで開催された。「実効性ある、包摂的で、共通の解決策」というテーマは、G20杭州サミットの延長、発展、実行と見ることができ、BRICS協力制度が新たな歴史的段階に入ることを示す。(文:石建勲・本紙特約論説員、同済大学財経研究所所長、上海市中国の特色ある社会主義理論システム研究センター特約研究員。人民網海外版コラム「望海楼」掲載)

BRICS協力は2006年の初の外相会議から10年になる。10年間の共同努力とすり合せを経て、BRICS協力はたゆまず確実になり、重要な影響力を持つ国際制度へと発展した。BRICS制度は指導者の会談が先導し、安全保障問題高級代表、外相などの会議を補助とし、BRICS新開発銀行を実体とし、シンクタンク、ビジネス、金融など各分野の協力を支えとする多層的な協力枠組を形成し、グローバル・ガバナンスの革新や持続可能な開発の推進への参与の面で重要な役割を発揮している。これは主に2つの面に表れている。

まず、BRICSは色褪せず、今後も光を放ち続ける。近年、BRICS諸国の経済は全体的に多少減速している。特に大口商品価格の変動がロシアやブラジルの経済に重大な影響を及ぼし、通貨下落が南アフリカの経済成長を減速させ、「BRICSは色褪せた」との指摘が度々聞かれる。実際には、BRICS諸国の発展の潜在力は依然として過小評価できない。特に中印両国の経済成長は依然として力強い。今年中国経済は6.7%前後の成長を維持し、インド経済は7%を超える見込みだ。世界経済が低迷し続け、不安定な中、BRICS諸国は依然として独特な「バラスト」としての役割を発揮している。

次に、BRICS協力制度はすでに国際経済秩序に影響を与える重要な力となっている。世界金融危機発生後、BRICS諸国に代表される新興国は急速な経済的発展を遂げ、政治的影響力を拡大し続け、国際的地位を高め続けた。BRICS協力制度はこうした国々に内部の意思疎通と調整を強化するプラットフォームを提供し、参加国は同じまたは近い利益の訴えに基づき、国際政治・経済の旧秩序の変革、世界経済構造の多極化促進に共に尽力した。

BRICS制度の独自性は既存の制度ではなく、関係国が各自の歴史、文化、地政学など多くの障害を克服し、全く新たなプラットフォームを創造的に築き、より合理的なグローバル・ガバナンス体制を図り、世界に解決策を示すことを任務とし、良い適応性と成長性を示すことにある。

これまでのBRICS協力を「クラブ」とするなら、現在のBRICS協力制度はすでに影響力ある国際組織として行動し、より広範な国際協力を促進し、世界経済の持続可能な発展のための新たな案を打ち出している。BRICS新開発銀行、アジアインフラ投資銀行、「一帯一路」(the belt and road)などはいずれもBRICS諸国がグローバル・ガバナンスシステムの発展に提供する公共財であり、世界にあまねく歓迎されており、世界の構造もBRICS諸国の台頭により深い影響を受けている。

将来を展望すると、BRICS諸国は途上国の利益とニーズをより代表する解決策を築き、南南協力を推進し、グローバル・ガバナンスを整備し、途上国のために一層の代表権と発言力を獲得し、より公平、公正、包摂的な国際秩序を構築する。この意味において、国際体制、グローバル・ガバナンスが整っていない現在、BRICS協力制度は将来世界を「良く治める」主要な原動力、先進的理念、公共財となる。

「開放、包摂、協力、ウィンウィン」は習近平国家主席が2014年の第6回BRICS首脳会議で打ち出したBRICS精神だ。われわれはBRICS5カ国がこの精神を堅持し、開放の中で相互包摂を実現し、包摂の中で共同発展を実現し、協力の中でウィンウィンを実現し、グローバル・ガバナンスの整備におけるBRICS諸国の協力水準をさらに高めることを望んでいる。(編集NA)

 

「人民網日本語版」2016年10月18日

 

 

人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。 京ICP備14043293号
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010)6831-3990  FAX: (010)6831-3850