より安定し、予想を上回った――国家統計局がこのほど発表した第3四半期(7-9月期)の中国経済データによると、供給サイドと需要サイドの両面からの取り組みと良好な予期の誘導の総合的な作用を受け、今年第1四半期から第3四半期までの中国経済の運行は、安定を保ちながら前進した。とりわけ8月と9月は、多くのデータで明らかな改善が見られた。中国経済が発展モデルの転換とアップグレード、原動力の転換という要となる段階にある中で、これらのデータは何を意味しているのだろうか。
成長率6.7%:数字は同じだが中身は違う
経済成長率は3四半期連続で6.7%を保ったが、その裏側では、経済成長の質と効果は上昇を維持し、原動力の構造や産業の構造、需要の構造は改善を続けている。
中国人民大学国家発展・戦略研究院執行院長の劉元春氏によると、製造業購買担当者指数や発電量、輸出先行指数などの一連の先行指標は、最近次々と現れている積極的な変化を示している。「第3四半期の経済運行は安定し、成長率は市場の予期を上回った」
統計によると、今年1-9月期、第三次産業の付加価値額がGDPに占める割合は52.8%で、前年同期から1.6ポイント高まった。同期、GDP成長に対する最終消費支出の貢献率は71%で、前年同期を13.3ポイント上回った。
第4四半期も安定成長持続の見通し
9月、中国の工業卸売物価指数(PPI)はマイナスからプラスに転換し、54カ月連続で前年同月比を下回っていた局面が打ち破られ、0.1%の上昇となった。第3四半期に入って以降、工業電力使用量や発電量、貨物輸送量などの指標はいずれも改善し、工業の安定傾向が明らかとなっている。
国家統計局の盛来運・報道官によると、この変化は、供給サイドの構造改革と直接関係している。技術の後れた生産能力の一部が淘汰された後、市場の需給関係には積極的な変化が起こった。さらに世界の大口商品価格の上昇を受け、工業分野の価格も持ち直し、工業企業の利潤は好転し、発展への信頼感も高まった。「供給サイドの構造改革の効果は着実に現れており、予期を上回っている」
需要サイドから見ると、変化は主に、投資分野に集中している。統計によると、年初以来、低下を続けていた投資成長率は第3四半期、安定傾向を示した。1-9月期の製造業投資は前年同期比で3.1%増加し、成長率は第3四半期、年初以来初めて上昇した。9月の民間投資は4.5%成長し、マイナスからプラスに転換した8月に引き続いて上昇している。
国務院発展研究センターの許召元・研究員によると、製造業投資は民間投資の主要投資先となっており、市場化の度合いが高い。この部分の投資はすでに安定に向かっており、消費者向け製造業とハイエンド製造業の投資の成長率の回復は際立ち、一定の持続可能性を示している。
商務部市場運行司副司長の李習臻氏の分析によると、第4四半期は中国の消費旺盛期であり、マクロ経済の安定傾向と改革による恩恵を考慮すれば、消費市場は第4四半期、安定した成長を保つものと見られる。
アナリストによると、経済動向には多くの積極的な変化が現れているものの、その土台は堅固とは言えない。輸出の勢いが弱まっていることや、金融リスクが一部で蓄積していることは、特に注意の必要な問題となっている。だが総体的に見れば、第4四半期の中国経済には、安定成長の持続が期待できる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年10月20日
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