「3年計画」で商用宇宙ロケット打ち上げの新モデルを作り出す。世界の商用宇宙航空産業にサービスを提供し、広大な可能性のある市場に挑戦する。「宇宙航空プラス」モデルで宇宙経済の複合体を形成する……これから宇宙資源をよりよく開発利用し、人々の関心を引きつけるにはどうしたらよいか。中国の商用宇宙航空産業の発展は今後どうなるか。一般の人が中国製宇宙船に乗って宇宙を旅する夢はいつ実現するか。新華網が伝えた。
▽「3年計画」 商用ロケット打ち上げサービスに最新の「中国バージョン」
「宇宙ハイヤー、宇宙タクシー、宇宙バス」。こうしたものたちは、未来の商用ロケット打ち上げ事業の中で「ネット予約車」と同じように時代の流れに乗れるだろうか。19日に設立された中国長征火箭有限公司が商用宇宙航空産業の神秘のベールをはいだ。
中国キャリアロケット技術研究院党委員会の■(赤へんにおおざと)照平書記兼副院長は、「長征火箭公司は中国キャリアロケット技術研究院に依託して宇宙航空の打ち上げ分野で突出した優位性を備えており、多様な顧客のさまざまなニーズを『接ぎ木』して、『三車』(宇宙ハイヤー、宇宙タクシー、宇宙バス)計画をうち出し、打ち上げサービス、宇宙資源の利用、宇宙旅行の各方面で大勢の消費者にカスタマイズされた商品とサービスを提供し、開放的で共有可能な商用宇宙航空産業の生態圏を構築し、業界の同士とともに商用宇宙航空市場の前進発展を共同で推進していく」と述べた。
「宇宙バス」の打ち上げサービスモデルは、指定された時間と場所で、複数の衛星をともなって予定の軌道に入るというものだ。「宇宙ハイヤー」は顧客の指定する時間と軌道に基づいて、専属の打ち上げサービスを提供するというもの、「宇宙タクシー」は打ち上げの主要任務の余剰の積載能力を利用して、指定された時間と軌道での打ち上げサービスを提供するというものだ。「宇宙ハイヤー、宇宙タクシー、宇宙バス」の各事業を組み合わせたモデルが、業界初の全方位的打ち上げサービスソリューションになる見込みだ。
これだけではない。宇宙航空産業には巨大な商業的価値が眠っている。
新会社の韓慶平社長の説明によると、「今後5~10年の間に、中国の商用宇宙航空産業は亜軌道で重複利用する宇宙船の研究開発を終え、亜軌道における観光事業を積極的に展開すると同時に、商用宇宙航空の打ち上げ場と体験パークの建設を推進する」という。
新会社は個人のユーザー向けに宇宙旅行サービスをうち出す方針で、関連サービスを含んだセット価格は20万ドル(約2074万円)と見込まれる。
▽「宇宙航空プラス」モデル 商用宇宙航空産業の共有型経済を構築
新しい消費ニーズを目の前にして、宇宙航空技術は大衆化し、商用化し、生活に根付いたものへと発展している。新会社の設立大会で、韓社長は未来の商用化発展構想を明らかにし、「中国製ロケットの商用化発展の道は、『宇宙航空プラス』モデルを中核的戦略として商品とサービスを提供することになる」と述べた。
現在、さまざまな「○○プラス」という概念がはびこるが、「宇宙航空プラス」は単に「遊びの概念を加えたもの」だろうか。それとも本当に「豊かな内容を含んだもの」だろうか。韓社長は、「将来的には国家重点プロジェクトの構想によって商用宇宙航空事業を進めることは出来なくなる」との見方を示す。
協力パートナーとともに商用宇宙航空事業の共有型経済を構築して、未来の「宇宙航空プラス」システムはより競争力を備えたものになり、耳で聞いて心地よいだけでなく、行動をともなった「実力派の役者」になる。技術、商品、資本、インフラ、そして市場の各方面で、協力パートナーは「宇宙航空プラス」の大衆消費時代のメリットを共有することになる。
未来の中国の商用宇宙航空打ち上げ事業の主力ロケットとなる「長征11号」プロジェクトの楊毅強総指揮は、「米国の商用宇宙航空企業の10数年に及ぶ発展プロセスに比べ、中国の商用宇宙飛行事業には打ち上げやロケット製造で30年に及ぶ打ち上げの経験があり、ロケットの信頼性でも安定性でも、一定の競争力を備えているといえる」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年10月21日
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