発表されたばかりの第3四半期GDP成長率によると、中国経済は依然として6.7%の安定した成長を保った。第3四半期の経済成長率は上半期と変わらなかったが、経済成長のうち革新を原動力にした部分については大きな変化が見られた。
経済成長原動力転換の角度から見ると、新生経済は引き続き比較的速い発展を維持した。新産業、新技術、新業態、新モデル、新製品、新サービスを代表とする新常態(ニューノーマル)経済は引き続き比較的速い成長を保った。「大衆創業、万衆創新」(大衆の起業、万人のイノベーション)が推進される中で、今年の1日当たり新規登録企業は1万4600社に上り、昨年同期比で1日当たり2000社ほど多かった。新業態では、インターネット小売額が1~3四半期で26.1%成長となった。新製品では、例えば新エネルギー車が1~3四半期で83.7%成長だった。これは、中国経済のモデル転換とアップグレードが進む中で、新たな経済原動力による成長が加速していることを示している。
戦略新興産業やハイテク産業などニューエコノミーは10%以上の成長率を保った。ビッグサイエンス・プロジェクトがリードするハイテク産業の成長は、すでに革新による経済駆動戦略実施における重要な足がかりになっている。「一帯一路」(シルクロード経済ベルトと21世紀海のシルクロード)と自由貿易区が牽引する海外投資と経済グローバリゼーションも中国経済の着実な成長にとって新たな成長エンジンとなった。
供給側(サプライサイド)構造改革も新常態経済が新たな成長を遂げる上での政策的支えになった。中国経済は、その発展が新常態に入って以来、構造調整と産業アップグレードという重大な問題に直面している。商品の有効供給が消費構造アップグレードの需要に応えられないため、伝統業界が生産能力過剰になる一方で、消費構造アップグレードに適した高品質の製品やサービスの供給が追いついていない。矛盾の主な原因は、供給側体制の硬直化とメカニズムが機能しなくなったことだ。供給側構造改革をさらに進め、生産能力を淘汰し、在庫を削減し、「ゾンビ企業」を淘汰し、良質の資源を消費構造アップグレードに適した産業部門へとシフトすることで、製品品質の向上を促進し、産業のアップグレードを促進する必要がある。
中国経済はすでに革新主導型の新生経済時代に入った。新生経済の最大の特徴は、GDP成長率が変わらない状況下において、経済成長における革新力と革新によって牽引される成長の割合が絶えず高まることだ。新生経済時代においては、革新指数やグリーン成長指数、人間開発指数、国民幸福指数にいっそう注目するべきだ。経済革新の発展に適した新たな経済観と経済計量についての革新的理念を確立することでのみ、時代とともに進歩した古い型にとらわれない統計認識で中国経済の健全な発展を見ることができるのである。
「北京週報日本語版」2016年10月25日
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