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時速600kmリニア開発 高速鉄道があるのになぜ

 

国内最大の軌道交通設備メーカー・中国中車股フン(フンはにんべんに分)有限公司は21日、時速600キロメートルの高速リニアモーターカーと時速400キロメートルの国際高速鉄道を含む国家重点研究開発計画先端軌道交通重点特定プロジェクトの第1弾となる3つのプロジェクトの研究開発をスタートすることを明らかにした。23日には公式ブログを通じて、3プロジェクトのスタート式典を北京で行うことも明らかにした。

▽時速600キロメートルは飛行機の3分の2のスピード

時速600キロメートルというのは一体どのように考えればよいだろうか。中国の民用航空機の平均時速は大体900キロメートルであり、これからプロジェクトが始まる高速リニアは、飛行機の3分の2のスピードに達することになる。このプロジェクトでは事前実験の段階で全長5キロメートル以上の高速リニア試験路線を建設し、一連の高速リニアテスト車両も開発する予定だ。

時速600キロメートルのリニアのプロジェクトでは、独自の知的財産権を備えた、最高設計時速600キロメートル以上の高速リニア輸送エンジニアリングシステムを研究開発するとともに、線路の集積モデル構築と検証テストを行わなければならない。世界的な影響力をもった高速リニア輸送システムの共同革新・集積化テストプラットフォームを構築し、世界トップクラスの基準・規範システムと総合的評価の方法を確立しなくてはならない。

▽高速鉄道があるのに、なぜリニアが必要か

リニアは目新しくない。湖南省の長沙リニア線も営業をスタートしてからしばらく経つ。このリニアは時速100キロメートルで、中低速リニアに入るが、これからスタートするのは時速600キロメートルの高速リニアだ。現在、中国の高速鉄道営業距離数は2万キロメートルを突破して世界一であり、世界の高速鉄道全体に占める割合は60%を超える。高速鉄道とその他の鉄道で構成された快速旅客輸送ネットワークが、人口50万人以上の都市をほぼすべてカバーしている。このような高速鉄道時代にあって、さらに高速リニアプロジェクトの研究開発に取り組むのはなぜだろうか

中国中車の重大特定プロジェクト弁公室の孫幇成副代表は、「中国は科学技術の先端に到達し、『ポスト高速鉄道時代』に向けて一連の技術を蓄積し、国民経済と人々の生活水準の向上のためにさらに多くの準備を進めなければならない。高速リニアは速度が速いだけでなく、安全性でも申し分なく、高速鉄道を上回りさえする。技術者は、高速鉄道にはこのさき物理的な限界が来るとみており、400キロメートル以下の速度が比較的適切であり、かつ比較的経済的だと考えている。快適度をさらに高め、営業速度で世界一になろうとするなら、現在の認識では、リニア以外には考えられない。リニアの車体は軽く、より大きな牽引効率を提供しながら、振動もない」と説明する。

中国中車の関係者によると、「このたびスタートしたリニア交通システムの重要技術プロジェクトの主な目的は、中高速リニア交通システムにおける浮上、牽引、コントロールの重要技術を掌握し、中国独自で国際的な汎用性・適応性も備えた次世代中高速リニア交通システムの重要技術システムおよび基準・規範システムを構築することだ。また中高速リニア交通システムおよび装備の完全な独自化と産業化の能力を備えることだ」という。

このプロジェクトでは「一帯一路」(the belt and road)沿線諸国のさまざまな軌道、電圧方式、環境・温度、技術基準、信号・コントロールの運用ニーズの研究にも取り組み、技術プラットフォームは統一的で路線の技術は異なるという点を踏まえて、製品プラットフォームの特徴を備えた時速400キロメートルの国際高速鉄道を研究開発する予定だ。

国際高速鉄道プロジェクトは中車長春軌道客車股フン有限公司が中心になり、同公司、中車青島四方機車車両股フン有限公司、中車唐山機車車両有限公司がそれぞれに高速鉄道車両の研究開発に取り組む。中車軌道客車と中車四方はマイナス40度からマイナス50度の環境で運行可能な車両を開発し、中車唐山は50度からマイナス25度の環境に耐える車両を開発する。(編集KS)

 

「人民網日本語版」2016年10月26日

 

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