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核兵器の廃絶と禁止を弄する日本 核不拡散の実現はいつか

 

「このような投票結果は国連創設から71年間で初めてだ」。「ハフィントン・ポスト」の指摘は、国連が10月27日に採択した「核兵器禁止条約」制定交渉の開始を定めた決議案がどれほど得難いものであったかを物語っていると言えるかもしれない。同決議案はメキシコ、オーストリア、ブラジル、アイルランド、ナイジェリア、南アフリカが10月13日に提出した。数カ月の交渉を経て、多くの国々が決議案への支持を表明してきた。だが今回の投票で、かつて被爆した日本は「反対票」を投じた。そして大変興味深いのは、共同通信社の報道によると、同じ日に国連総会第一委員会(軍縮及び国際安全保障委員会)が日本主導の核兵器廃絶決議案を賛成多数で採択したことだ。裏表を使い分ける日本のこのようなやり方は、世界が「非核化」を真に実現するのがなお任重くして道遠しであることを物語っている。人民日報海外版が伝えた。

■理解しがたい行為?

世界唯一の被爆国である日本は第2次大戦後一貫して「被爆の歴史」を大いに宣伝し、戦争被害者としてのイメージ作りに努め、世界の非核化プロセスに尽力していると対外的に公言してきた。だが、これは実際の選択と言動が一致しない。10月27日に国連総会で「核兵器禁止条約」の交渉開始を定めた決議案の投票が行われ、日本政府は反対票を投じた。

反対票を投じたことについて日本の岸田文雄外相は「条約は核保有国と非核保有国の対立を助長し、双方の溝を激化させる(したがって日本は反対票を投じた)」と説明した。ハフィントン・ポストによると、米国のオバマ政権もこの決議案に強く反対するとともに、同盟国を始めとする全ての国に反対票を投じるよう説得しようとした。

日本の安倍晋三首相はこの問題について「被爆国であるから、われわれは世界の非核化を現実的に先導するべきだ。今回わが国の提出した核兵器廃絶決議案は、米国の賛同も初めて得た」と述べた。

安倍首相の言う「核兵器廃絶」決議案を、日本はすでに23年続けて国連総会に提出している。同決議案も27日に採択された。日本メディアの報道によると、昨年棄権した米国を含む167カ国が賛成票を投じた。同決議案は「核拡散防止条約」(NPT)体制強化の決意を確認し、2020年のNPT審議総会の成功に向けて最大限の努力を尽くすとともに、「核兵器用核分裂性物質生産禁止条約」(FMCT)交渉の早期始動を各国に促している。

■日本のこうした行為をどう理解すべきか?

「核兵器禁止条約」概要は、核兵器の使用を違法と明記している。「米国はオーストリアの提出した核兵器禁止案に反対し続けてきた。核兵器の使用制限は、米国の核兵器保有の価値を事実上剥奪するに等しい。日本が反対したのも、米国の核の傘のためだ」と外交学院国際関係研究所の周永生教授は指摘する。

簡単に言えば、「核兵器禁止」は核保有国が核兵器の不使用を約束し、最終的には核なき世界の実現に尽力するものだ。一方、日本が長年努力している「核廃絶」のキーワードは「核不拡散」であり、核兵器は責任ある国の手中に握られているということを意味するものだ。

「われわれは2つの面から問題を見る必要がある。1つは核兵器禁止案、もう1つは核兵器廃絶案だ。日本は核兵器廃絶で賛成票を投じるよう国連の他の加盟国に呼びかける一方、オーストリア主導の核兵器禁止案には反対票を投じた。したがって、これは、日本が『核兵器廃絶』において標榜する核兵器の『非人道性』が、全人類のことを考えてのものではなく、自国の利益に立ってのものであることを物語っている」と、中国社会科学院日本研究所外交研究室の呂耀東室長は語る。

「日本は常に米国の側に立っている」と呂氏は語る。

このような「自己矛盾」の背景は、世界の非核化の道がどれほど困難かを物語っていると言えるかもしれない。

「米国と西側諸国は先に相応の譲歩をし、朝鮮など他国に対して核兵器を使用しないことを保証するべきだ。また、日本の右翼勢力は長年核兵器保有を求めている。そして日本自身も核物質と関連技術を保有している。したがって国際社会は日本の核物質に対する監督を強化し、特に兵器級の核物質を廃棄または移転させるべきだ。要するに、国際社会は協力を強化し、特に核保有国は核物質の輸出を禁止する必要がある。これは核大国と全世界が協力して初めて達成できることだ」と周氏は指摘する。(編集NA)

 

「人民網日本語版」2016年11月1日

 

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