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研究開発費用上位1千社 投入先はソフトとサービスに

 

会計事務所大手プライスウォーターハウスクーパース(PwC)傘下のコンサルティング会社ストラテジーコンサルティング(Strategy&)はこのほど、2016年のグローバル革新企業上位1千社についての研究成果を発表した。英国紙「エコノミスト」に「研究開発費用と企業の業績との関係性についての最も全面的な評価」と高く評価されるこの研究成果は、世界の上場企業の研究開発費用上位1千社を列挙する番付で、1千社の所属する産業、収入の状況、研究開発支出を比較対照し、総括している。一財網が伝えた。

▽研究開発投資が最も多いのはどの産業か

過去11年間のグローバル革新企業上位1千社の研究と同様、今年のストラテジー社の研究対象には2016年度(2016年6月30日を末日とする)に世界で研究開発費用が最も多かった上場企業1千社が含まれる。企業関連や政府関連など各種のデータによると、番付に上がった上位1千社の研究開発費用は世界全体の40%を占めたという。

番付には中国企業が130社入り、研究開発費用は合計468億ドル(1ドルは約102.6円)に達し、前年比18.6%増加した。華為は上場していないため、分析の対象外だが、15年の研究開発費用は596億元(1元は約15.2円)で世界9位に相当する金額だ。

中国の上場企業ではアリババと中興通訊が初めて中国石油天然気集団公司を抜いて1位と2位に並んだ。中国企業の3~10位には上から順に、中国石油天然気、中国中鉄股フン有限公司(フンはにんべんに分)、百度(バイドゥ)、中国中車股フン有限公司、聯想(レノボ)、騰訊(テンセント)、中国鉄建股フン有限公司、上海汽車集団股フン有限公司が並んだ。

PwC中国製品革新主管パートナーの蕭安卓氏は、「世界番付をみると、研究開発投資が多い企業は医療関係、電子製品関係が中心だが、中国の状況はいささか異なり、今年はアリババと百度のようなインターネット企業も番付入りしたものの、全体としてみれば、工業製品の研究開発支出が最も多く、医療関連企業はわずか2%に過ぎない」と指摘する。

番付によると、16年はコンピューター製品・電子製品、医療、自動車の3産業の研究開発投資が世界の全産業の研究開発投資のうち62%を占めた。コンピューター製品・電子製品はトップで24%を占めた。中国での上位3産業は工業製品、自動車、ソフトウェア・インターネットだった。

中国は引き続き研究開発投資の伸びが世界で最も速い国だった。また研究開発投資の規模で中国に比肩するのは、現在では米国と欧州だけだ。統計データによると、過去1年間に中国の研究開発投資は19%増加し、北米は8%増加し、両国が世界で研究開発投資の伸びが最も速い国になった。対照的なのは欧州企業と日本企業で、欧州企業の研究開発投資は9%減少し、日本企業も8%減少した。

こうしたことからわかるのは、過去1年間に世界のソフトウェア・インターネット産業の研究開発投資は15.4%増加して、増加率がトップだったことだ。医療産業は3.6%増加で2位、消費財産業は0.7%増加で3位。一方、これ以外のコンピューター製品・電子製品、工業製品、国防・航空、自動車などの産業はいずれも増加率がマイナスになった。

▽収入の伸びが速い企業は資金をどこに投入しているか?

5年前には企業の50%が研究開発投資の半分以上を製品分野に投入していたが、今回の研究成果は、5年後には企業の研究開発投資は主にソフトウェア分野とサービス分野に集中することになると予想する。

一連のデータがこうした見方を補完する。今年の調査研究成果をみると、収入の増加ペースが主要なライバル他社より速い企業は、ソフト分野への研究開発投資予算が増加ペースの遅い企業より25%も多いことがわかる。

実体ある製品への投資からソフトとサービスへの投資へ。こうしたモデル転換の背後には、絶えず変化し、ますます水準が高まる消費者の期待がある。

ストラテジー社米国法人のパートナーで革新研究開発の専門家バリー・ヤルゼルスキ氏は、「ますます多くの製品にソフトとセンサーが搭載されるようになり、モノのインターネット(IoT)を通じて信頼できる経済的な方法で製品、ユーザー、メーカー間の相互連携やデータのクラウドストレージサービスの普及が実現することを願う」と話す。

中国では、こうした転換がより一層顕在化するとみられる。蕭氏は、「多くの産業が金融化とインターネット化を模索している。中国の商業用不動産企業上位20社はいずれもインターネットプラスの分野で模索を続けており、一体化した金融プラットフォーム、供給チェーン、O2O(オンラインツーオフライン)プラットフォームをうち出そうとしている。ただこうしたプラットフォームの営利モデルはまだ確立してはいない」と話す。

だが専門家たちは、「研究開発投資の多さは企業が必ず成功するということを意味しない。革新能力と研究開発投資が比例するわけでもない。やはり市場を見抜く力が企業が勝利を収める上で最も重要なポイントになる」との見方を示す。(編集KS)

 

「人民網日本語版」2016年11月4日

 

 

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