第2回中日企業家及び元政府高官対話は2日に共同声明を発表した。それによると、「両国のビジネス環境をさらに改善し、第三国市場での協力を推進することが期待される。第11回中日韓経済貿易相会合が10月29日に日本で行われ、日本の経済界の大規模な代表団が9月20日に中国を訪問するなどして、中日の経済貿易分野での一連の相互連動の動きが両国の協力への熱意を改めてかき立てている」という。2017年と2018年には両国は国交正常化45周年と中日平和友好条約締結40周年を迎える。こうした「プラスのエネルギー」に充ち満ちた大きな出来事は中日間の経済貿易の氷を溶かす契機になりうるだろうか。「国際商報」が伝えた。
▽経済貿易関係のモデル転換の重要な時期
商務部(商務省)の高虎城部長は10月29日、日本で開催された第11回中日韓経済貿易相会合に出席した。中日の経済貿易がさまざまな要因の影響で谷間に落ち込む現在、この会合は各界から大きな注目を集めた。
データをみると、貿易分野では、15年の中日間貿易額は2790億3800万ドル(1ドルは約104.4円)で、前年比10.81%減少し、ピークだった11年の3450億ドルに比べ、600億元以上も減少した。今年1~9月の中国の対日輸出額は同0.5%増加した。投資分野では、日本の対中直接投資は12年にピークに達した後、3年連続で減少した。今年1~8月には、日本の対中投資額は22億5千万ドルで、同28.8%減少した。中国国際経済交流センターの魏建国副理事長(元商務部副部長)は、「今年の日本の対中投資・輸出の減少率は2けたに達する可能性がある。中日経済貿易関係は歴史的にも重要な時期を迎えている」と話す。
アナリストは、「『アベノミクス』が徐々に苦境に陥り、日本が参加する環太平洋経済連携協定(TPP)はいまだに全参加国の国会での承認などの国内手続きが完了せず、発効していない。これと同時に、日本の産業との類似性が高い韓国は終始強い意欲を示し、これまでに中韓自由貿易協定(FTA)を成立させるなどして配置を進めている、日本はグローバル経済の分野で新たな動きをみせなければ、国際経済の大舞台で徐々に端に追いやられる危険をはらむ」との見方を示す
商務部国際貿易経済協力研究院国際市場研究部の白明副代表は、「中日経済貿易協力推進の機は熟しつつある。中日関係や日本の経済戦略の選択といった要因の影響により、中日経済貿易協力は数年にわたるマイナス圧力の時期を経て、今では国際経済の局面が変化しつつあり、中日経済貿易協力のチャンスの時期も徐々に形成されている」と話す。
こうした見方はこのほど行われた中日企業家及び元政府高官対話でも確認され、多くの日本の企業家が協力を強化したいとの考えを示した。中日韓経済貿易相会合の開催期間には、自民党の二階俊博幹事長が高部長と会談する中で、「中国は日本の最も重要な経済貿易パートナーであり、日本の経済界は対中貿易投資協力をさらに拡大するべきだ」と明言した。
▽地域協力のレベル向上を推進
歴史の発展というものは螺旋階段を上るように上がっていくものだ。第11回中日韓経済貿易相会合の開催にともない、産業界は中日の地域経済協力の新たな段階へのステップアップに、さらには中日韓の地域経済協力の新たな段階へのステップアップに期待を寄せている。
同会合の開催期間中、高部長は日本の世耕弘成経済産業相と会談する中で、「中国経済が新常態(ニューノーマル)に突入し経済構造のモデル転換と調整が進むという新たな状況の中にあって、中日双方は新たな協力分野を模索し、実務協力のレベルを引き上げるべきだ」との見方を示した。
経済貿易協力の水準を引き上げるにはどうすればよいか。日中経済協会の宗岡正二会長は同対話の中で、「日中経済には高い相互補完性があり、双方の企業は新たなモデルを構築し、産業協力を強化し、第4次産業革命と中国の消費バージョンアップのニーズに対応するべきだ」と述べた。
白副代表は、「中日経済貿易協力は長年にわたる発展を経て、産業など多くの方面で強い相互補完性をもつだけでなく、地域的にもつながりがあり、協力のチャンスはやはり競争よりも大きい。経済貿易協力のレベルを引き上げるには、中日の産業の深いレベルでの融合を推進するだけでなく、中日韓FTA交渉や東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉を積極的に推進することが必要であり、中日韓やアジア全体で産業チェーンの融合発展を推進し、相互に依存し合うアジア経済共同体の構築を徐々に推進することが必要だ」との見方を示す。
商務部の沈丹陽報道官の話によると、「第11回中日韓経済貿易相会合では主要20カ国・地域(G20)首脳会談(杭州サミット)の経済貿易方面の成果の実現、3カ国の実務的な経済貿易協力展開の新たな分野と呼びかけ、地域間と多国間の経済貿易という議題をめぐって意見を交換し、一連の共通認識に達した」という。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年11月9日
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