このほど開かれたロイター・グローバル・インベストメント・アウトルック・サミットで、世界の大手資産運用会社とストラテジストは、中国経済の先行きに一段と楽観的な見方を示した。中国の経済成長率は3四半期連続で6.7%の水準で安定しており、銀行業の不良債権も落ち着きつつあるとしている。
今のところ、このような楽観的な見方はまだ、米大統領選でのトランプ氏勝利の影響を受けていないもようだ。
「今なぜ見方が大きく変わるのか、それは成長鈍化のスピードに減速の兆しが見えているためだ。経済は安定してきているとの見方も出ている」クレディ・スイスアジア太平洋地区の伍澤恩・投資ディレクターは指摘する。
しかし、中国企業の債務残高は18兆米ドルと、GDPの169%に相当する規模に達している。これは依然として深刻な問題だ。特にシャドーバンキングは憂慮すべき問題だ。IMFの予測では、シャドーバンキングとこの種の貸出資産は既にGDPの60%まで急増している。特に比較的規模の小さい中国資本銀行がリスクに直面している。IMFによれば、一部の銀行のこの種の資産規模は彼らのヘッジ資産の3倍超に上るという。
しかし投資家は、「中国政府には充分な準備資産があり、必要に応じて銀行業務の国有化なども可能」だと指摘。
このほか、政府債務と個人の債務ともに増加しつつあるが、先進国と比べて低水準だ。また、米国や西側諸国と異なるのは、中国が債務償還の原資を海外資金に依存しないという点だ。
「中国経済の債務規模が急拡大していることは疑いようが無い」。AIAのMark Konynチーフ投資担当は「しかし中国には多くの価値ある資産があり、債務の株式化(デットエクイティスワップ)が可能だ。長期的に見れば、我々の見方は一段と楽観的になる」としている。
ロイヤルロンドンのTrevor Greetham氏も、中国の先行きに楽観的だ。「我々は企業債を問題視していない。経済活動が良好ならなおさらだ。中国経済は成長が加速している」との見方を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年11月23日
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